専門治療

NST(栄養サポートチーム)

教育認定施設
日本麻酔科学会認定研修施設

NSTとは

NSTとは"Nutrition Support Team:栄養サポートチーム"のことです。
現在、全国の病院で入院中の患者さんの低栄養が問題視されるようになりました。まさかと思われるかも知れませんが、実に入院患者さんの約40%が栄養不良(低栄養)というデータがでています。低栄養がさまざまな障害を引き起こします。そこで当院でも低栄養を救うべくNST(栄養サポートチーム)が立ち上がりました。
栄養改善をすることにより回復を高め、疾病治療、感染予防、褥瘡予防、早期離床、在院日数の短縮などの効果が期待できます。
当院のNSTメンバーは、医師、各病棟看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、管理栄養士といった院内の多職種から構成され、チームに参加しています。

当院では、入院患者さん全員の栄養アセスメントを実施しています。具体的には入院時から低栄養患者さんのスクリーニング(抽出)を行ったり、全入院患者さんのアルブミン値(栄養状態の指標)の評価をするなど、栄養改善へ向けて取り組んでいます。
今後、「経口で食事が摂れるようになった」「褥瘡が良くなった」「体重が増えてきた」などの声が院内のあちらこちらで聞かれるようなNST活動を目指し、低栄養の改善へ向けて研鑽していきたいと思います。

NSTの役割

  • 栄養管理が必要か否かの判定(栄養アセスメントの施行)

  • 適切な栄養管理がなされているかどうかのチェック

  • もっともふさわしい栄養管理法の提言(適切な栄養ルートの選択)

  • 栄養管理に伴う合併症の予防・早期発見・治療

  • 栄養管理上の疑問点(コンサルテーション)に答える

  • 新しい知識・技術の紹介、啓発

具体的には、褥瘡のひどい患者さんの経管栄養内容を、創傷治癒に欠かせない蛋白質や亜鉛を多く含む物に換えたり、下痢のひどい患者さんの食事を小分けにして腸への負担を軽減するなどのアドバイスをしたり、また入院患者さん全員の栄養アセスメントを実施し、入院時から低栄養患者のスクリーニングができるシステム作りをしています。
入院患者の方々の実に40%以上が栄養不良状態と言われている昨今、当院ではこの様なNST活動を通して、患者さんの栄養状態改善に取り組み、治療効果に繋がるよう今後も努力していきたいと思っております。

最近病棟で・・・
「Aさん、経管栄養の内容変えたら、褥瘡が良くなってきたね。」
「Bさん、下痢続きで栄養状態悪かったのに、食事回数増やしたら下痢が落ち着いて栄養状態も良くなったね。」
など、患者さんの栄養状態改善効果についてよく話されるようになりました。これはNSTの活動成果によるものと思われます。

当院の医療チームリスト

がんと共に生きる患者さんの痛みなどの症状や不安に対し、がんによるあらゆる症状の緩和に向けてサポートしていきます。

低栄養など栄養管理の必要な患者さんに対し、最良の方法で栄養支援していきます。

院内外の「感染」に関してのコントロール、〝感染が起こらない様に〟日々活動しています。

感染症の治療効果を高め、耐性菌の出現を抑えるために、検査や抗菌薬について支援しています。

「より早い人工呼吸器からの離脱」、「呼吸ケアのレベルアップ」をめざして、患者さん一人ひとりの呼吸をサポートしています。

口腔環境の快適性の確保、咬む、飲み込むといった口腔機能の維持、回復、QOLの向上に取り組んでいます。

良好な代謝コントロールの維持、合併症の発症を予防で健常人と変わらぬ社会生活を目指し、取り組んでいます。

「褥瘡(じょくそう)」とは、一般的にいう「床ずれ」のこと。褥瘡対策はいまや病院全体で取り組む時代です。

多職種と連携を図りながら薬物療法のみならず心のケアを含めたサポートをしています。

心不全患者さんの生活環境を把握しながら指導介入を行い、再入院の予防やQOLの維持、退院後のサポートを多職種で行います。

多職種で連携を図り、骨粗鬆症治療の導入を進めていきます。二次骨折予防として近隣クリニックとの連携を図っています。

臨床で起こる様々な倫理問題に対して解決をサポートすることで、患者さんやご家族に質の高い医療の提供を目指しています。

認知症の方の環境調整やコミュニケーション方法について病棟看護師と共に検討し、安心できる環境(ケア環境を含む)で適切な治療を受けられるようにケアのサポートを行います。

「排尿⾃⽴⽀援加算」「外来排尿⾃⽴指導料 」の算定となる患者に対し、包括的排尿ケア の介⼊を⾏い、排尿の自立ケアをサポートします。