専門治療
心不全チーム
心不全とは
心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
あらゆる心臓病は心不全を引き起こす危険性があります。また心不全の代表的な症状は息切れやむくみで、これらの症状は心臓の機能が低下することにより、血液循環が悪くなって足や肺に水が溜まることで出現します。そして、心不全になって入院するとお薬や手術などの治療によって患者さんはよくなるのですが、しかしそれは、心不全が『治った』わけではありません。一度心不全入院した患者さんは半年以内に30%近い方がまた心不全が悪くなって再入院すると言われています。更に増悪を繰り返すたびに心臓の力は低下し、活動度が下がり、更には介護が必要な状態となって生命を縮めていきます。日本の循環器死亡数は、ガンに次いで2番目に多く、心不全による5年生存率は50%と予後も決して良くなく、ガンと同じくらい生命に関わる病気なのです。超高齢化社会とともに、心不全患者が大幅に増加する(心不全パンデミック)と言われ、今後は病院のひっ迫や医療費の増加など、社会的問題が起こることが予想されます。
心不全チームの役割
心不全は良くなったり悪くなったりを繰り返して進行する病気ですが、普段の生活、食事や運動習慣などによって余命が変わることも多く、患者さん自身が自分の病気について理解し、実践することが大切です。
健康管理と言われても、1人で病気を抱えることは大変なことです。このため、医師だけでなく、さまざまな職種と連携して、その方自身やご家族に薬や食事、運動療法などのサポートを行います。患者さんの生活環境や生活リズム、価値観は様々です。多職種の視点を生かし患者さんの抱える問題を共有することでより良い支援を目指します。
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心不全チームの目的
慢性心不全患者ひとりひとりのQOLを維持するため、多職種で情報を共有し、再入院を予防し、社会復帰を促したりして、その人自身や家族とともに、その人らしく生きられるよう支援すること。
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心不全チームのメンバー
- 循環器内科医師
- 心臓リハビリテーション指導士
- 病棟看護師(心不全療養指導士)
- 外来看護師
- 薬剤師
- 理学療法士
- 管理栄養士
- 検査技師
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活動内容
- 入院中の心不全パンフレットを用いた指導
- 心不全手帳を用いた体調管理
- 心臓リハビリ
- 薬剤師指導
- 栄養指導
- 外来での継続フォローアップ
- 月2回の多職種カンファレンス
- 今後は勉強会の開催なども予定
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当院の医療チームリスト
がんと共に生きる患者さんの痛みなどの症状や不安に対し、がんによるあらゆる症状の緩和に向けてサポートしていきます。
低栄養など栄養管理の必要な患者さんに対し、最良の方法で栄養支援していきます。
院内外の「感染」に関してのコントロール、〝感染が起こらない様に〟日々活動しています。
感染症の治療効果を高め、耐性菌の出現を抑えるために、検査や抗菌薬について支援しています。
「より早い人工呼吸器からの離脱」、「呼吸ケアのレベルアップ」をめざして、患者さん一人ひとりの呼吸をサポートしています。
口腔環境の快適性の確保、咬む、飲み込むといった口腔機能の維持、回復、QOLの向上に取り組んでいます。
良好な代謝コントロールの維持、合併症の発症を予防で健常人と変わらぬ社会生活を目指し、取り組んでいます。
「褥瘡(じょくそう)」とは、一般的にいう「床ずれ」のこと。褥瘡対策はいまや病院全体で取り組む時代です。
多職種と連携を図りながら薬物療法のみならず心のケアを含めたサポートをしています。
心不全患者さんの生活環境を把握しながら指導介入を行い、再入院の予防やQOLの維持、退院後のサポートを多職種で行います。
多職種で連携を図り、骨粗鬆症治療の導入を進めていきます。二次骨折予防として近隣クリニックとの連携を図っています。
臨床で起こる様々な倫理問題に対して解決をサポートすることで、患者さんやご家族に質の高い医療の提供を目指しています。
認知症の方の環境調整やコミュニケーション方法について病棟看護師と共に検討し、安心できる環境(ケア環境を含む)で適切な治療を受けられるようにケアのサポートを行います。
「排尿⾃⽴⽀援加算」「外来排尿⾃⽴指導料 」の算定となる患者に対し、包括的排尿ケア の介⼊を⾏い、排尿の自立ケアをサポートします。