治療支援部門

放射線科

血管造影室

当施設では、新病院移設に伴い平成27年7月に血管造影装置を導入いたしました。
血管造影室では、血管にカテーテルという細い管を挿入し、 造影剤を使用して心臓の血管を始め、頭頸部・胸腹部・四肢血管など、全身の血管を透視診断、撮影診断し、治療をすることができます。導入した装置は、バイプレーンシステム(X線管球と検出器が対に2 セット)を採用し、X線ビームが同時に2方向から出力できるので、多方向から観察する心臓、頭部検査において、通常2方向2回の造影を2方向1回の造影が可能となり、造影剤量を低減する事ができ、患者さまの負担を軽減し、迅速で安全な検査が受けられます。また、検出器には最新のフラットパネルディテクタを搭載し、より低被ばくで鮮明な検査・治療ができるようになりました。検査中はエックス線量を監視する機能を有しており、患者さまの被ばく量の把握と低減に取り組んでいます。

当施設の血管造影室では、医師、看護師、診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師による複数の専門職種によるスタッフがチームを組んで、検査・治療にあたっています。緊急検査に備え、24時間365日、常時待機制をとり、夜間においても迅速に対応できる体制を構築しております。

心臓カテーテル検査

四肢の血管を通じて心臓内にカテーテルを挿入させて、造影剤を注入する事によって心臓の動きを確認、栄養血管である冠動脈を造影する事により、狭心症・心筋梗塞・弁膜症等の診断を行っています。また、血管内治療もカテーテルを通じて行っています。狭窄または塞栓した冠動脈を拡張させる為にバルーンカテーテル(風船のついた管)やステント(網目の金属)を挿入して治療を行っています。その他の心臓検査、治療としては、補助循環としてのIABP(大動脈内バルーンパンピング)や、下大静脈フィルター、ペースメーカー、などの治療具の挿入なども行っています。

肝動脈化学塞栓術(TACE)

足の付け根の動脈から肝臓内の血管にカテーテルを挿入させて、肝臓内の腫瘍を栄養する細い動脈までカテーテルを進めます。この栄養血管から抗がん剤を注入し、更に塞栓物質(ゼラチン)を詰めて血流を遮断することで腫瘍細胞を壊死させる方法です。

脳血管造影検査

四肢の動脈を通じて頚部の動脈にカテーテルを挿入させて、造影剤を注入する事によって頭部の動脈、静脈、毛細血管の異常を観察する検査です。検査を行う事によってクモ膜下出血の原因でもある、動脈瘤(こぶ)ができている動脈や、先天的に動・静脈間が毛細血管を経ないで直接繋がっている脳動静脈奇形の診断において重要な精密検査です。

経皮的下肢動脈形成術

四肢の血管を通じて下肢動脈にカテーテルを挿入させて、バルーンカテーテル(風船のついた管)を入れ、血管の狭窄や閉塞部でふくらませて、血管を拡張させる治療法です。さらにステント(網目の金属)を用いて拡張させる方法もあります。治療対象は、主に下肢の動脈や透析患者さまのシャントの狭窄部位になります。

経皮的シャント拡張術・血栓除去術

流速の早い大量の血液が長期に流れることにより、血管壁に障害が起きたり、また透析時の穿刺・止血の繰り返しにより、シャントが狭窄したり閉塞してしまう事があります。
その為、カテーテルを挿入させて、バルーンカテーテル(風船のついた管)を入れ、シャントの狭窄や閉塞部でふくらませて、血管を拡張させたり血栓を除去する治療法です。