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がん化学療法を受ける方のために / 抗がん剤の副作用について
副作用に対する対策・質問集です。
吐き気や嘔吐が起こったら
これらは最もよく起こるいやな副作用です
この副作用の強さと持続期間は薬の種類と量によります
嘔気、嘔吐は通常、投与後数時間から2~3日続きます
嘔気、嘔吐をきたしやすい抗がん剤を使う時は同時に吐き気止めの注射もします
必要に応じて吐き気止めの飲み薬を自宅でものんでいただきます
ひどい嘔吐が続くと体液が失われ、さらに食事ができないことも加わり脱水状態となり危険です
嘔気、嘔吐が長く続く場合には主治医、看護師にご相談ください
吐き気止め以外にあなたにできる方法
一回の食事は少なめにし、代わりに回数を増やし少量ずつ食べましょう
少なくとも食事の1時間前か後に飲み物を飲んでください
ゆっくりと食べたり飲んだりしてください
甘いもの、脂っこいものはお勧めできません
熱い食べ物は匂いが強く吐き気をもよおしやすいので冷たいもの室温のものをとりましょう
消化を良くするよう、よく噛んで食べましょう
飲み物は冷たく透明なりんごジュース、お茶などが適しています
氷を口に含んだり、ミントや酸味のあるキャンディーを試してみてください
調理中の匂いやタバコの煙や香水は避けた方が良いでしょう
食後2時間ほどはリラックスして腰をかけ、横になって寝たりしない方が良いでしょう
きつく締め付けないゆったりとした服を着てください
もし吐き気におそわれたらゆっくり深い息をしてみてください
家族や友人と話をしたり、音楽を聴いたりテレビを見るなど気を紛らわせるようにしましょう
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リラックス法を試してみるのもいいでしょう
リラックス法
体と心の緊張をやわらげ、ストレスを抑えます
呼吸法
感情と呼吸は密接な関係があります。呼吸法は、呼吸を整えることでリラックス状態をもたらそうとするもので、正しい呼吸を意識するだけで驚くほどのリラックス効果があるでしょう。
楽な姿勢でイスにこしかける。
軽く目を閉じて、楽な気持ちでゆったりする。
ゆっくりすべての肺の空気を口から吐き出す。
心の中で「1、2、3」と数えながら、ゆっくり鼻から息をすう。
「4」でいったん止める。
心の中で「5、……9、10」と数えながら息を口から吐きだす。
4~6をもう一度繰り返す。
自己催眠法
言葉を使った催眠暗示によって、緊張状態をリラックスさせます。
目を軽く閉じ、肩の力を抜き、腕をダラーンと下に落とします。
足はダラーン と投げ出しましょう。そして、ゆっくりと呼吸を整えましょう。
吐く息に合わせて、「気持ちがとても落ち着いている」(呪文1)と心の中で唱えてください。
何度も何度も、「気持ちが落ち着いている」と唱えます。
そして3・4回に1回、「右腕がダラーンと重たい」(呪文2)の呪文もつぶやきましょう。
3~5分たったら、深呼吸をして、目を開け、からだ全体を伸ばしましょう。
最後に手をブルブルと振って、暗示を消し去ります
もし化学療法の点滴中に吐き気が起こるならば、化学療法の前少なくとも数時間は食べ物を口にしない方が良いでしょう
髪の毛が抜けてきたら

髪の毛が抜けることは大変ショックなことだと思います
抗がん剤によって脱毛が起こりやすいもの、起こりにくいものがあります
脱毛は徐々に起こり、化学療法が終わればたいてい元通りに生えてきます
脱毛は頭の髪の毛だけでなく体中の毛に起こります
頭の髪の毛が抜けてきてもそのままでも良いですが、気になる方は帽子をかぶったり、かつらを着けたりします
体がだるく疲れやすくなったら
全身倦怠は最もありふれた抗がん剤の副作用のひとつです
軽い無気力感ぐらいから何もできないほどぐったりするまで程度はさまざまです
他の副作用同様、化学療法がすべて終われば回復します
対処方法としては
充分休息をとるようにしましょう
バランスのとれた食事をとり水分も充分補給してください
無理して体を使いすぎないようにしましょう
家族、友人、近所の人などに仕事の手助けを頼みましょう
白血球や血小板や赤血球が減ったら
これらは骨髄で造られる血液細胞で、化学療法で減少しやすいため血液検査でチェックする必要があります
白血球は細菌、ウイルスなどと戦いますこれが減ると肺炎などの感染症が発症します
血小板は血液を凝固する役目があり減ると出血しやすくなり鼻出血の他、脳出血、消化管出血を起こす可能性もあります
赤血球は酸素を体中に運ぶ役目をしておりこれが減少したのが「貧血」といわれる状態であり、易疲労、立ちくらみ、顔色不良、息切れなどをきたします
白血球にも種類があり、中でも好中球は感染防御に重要です
感染症は口腔内、皮膚、肺、尿路系、直腸、生殖器など体のいたる所で起こりえます
もし、白血球や好中球が減少したら化学療法は一時的に中止し回復を待ったり、G-CSFという好中球の成長因子を注射します
感染症が起こると38℃をこえる高熱や寒気、発汗、排尿時の灼熱感、咳、咽頭痛、腹痛、下痢、おりものなどが出現することがあります
このような場合には直ちに入院治療をしなければならない可能性があり、すぐ担当医や看護師にご連絡ください
感染を避けるには
いつもよく手を洗いましょう
風邪、インフルエンザ、はしか、水痘などにかかっている人には近づかないでください
人ごみを避けましょう
直腸内は排便により完全にきれいにしておき、痔など直腸・肛門部に異常がある人は医師にご相談ください
爪や刃物で自分が怪我をしないよう気をつけてください
毛剃りは電気かみそりの方が安全です
歯磨きはやわらかい歯ブラシでおこないましょう
庭いじりをしたり、ペットや小さい子供の世話をする時は防護用の手袋をしてください
予防接種をする時は必ず医師にご相談ください
血小板は血管が裂けたときに血液を凝固させ出血を止める働きがあります
血小板が減ると出血傾向が現れ、あざ、点状の皮下出血、血尿、血便、歯茎や鼻の出血、ひどい頭痛、めまい、関節・筋肉痛、衰弱などの症状が出ることがあります
このような症状が出現したらすぐ医師、看護師にご相談ください
もし、血小板が非常に少なくなれば血小板輸血が必要です
けがをしたり鼻をかみ過ぎないなど、出血を起こさないように注意することが必要です
血液が赤い色をしているのは血中に赤血球が含まれているからです。赤血球の細胞の中にはヘモグロビンという赤い色をした鉄を含む蛋白質が多量含まれておりこれが酸素を体中に運んでいます
化学療法を長期行なっていると赤血球が減り「貧血」と言われる状態になります。貧血では体が必要とする酸素が足りなくなり息切れ、立ちくらみ、めまい、疲れが起こりやすくなります
貧血が強い時は、充分寝て休むこと、体を使いすぎないこと、貧血改善に適した食事を多く取ることが必要です。また起きたり立ったりする時はできるだけゆっくり行なわないと失神することがあります
貧血が強い場合は、鉄剤やビタミン剤を服用していただいたり、輸血をしていただくことがあります。
貧血を治す食事
貧血とは赤血球が減った状態、さらに言えばヘモグロビンという鉄を含む蛋白質が減った状態です。そこで貧血を治すには蛋白質と鉄と造血に役立つビタミンを補給しなければなりません
たんぱく質を多く含む食品とは、魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などです
鉄分を多く含むのは肉や牛・豚・鶏レバーや魚赤身、卵、乳製品、大豆、野菜、ひじき、海藻などです
貧血に良いビタミンCは新鮮な野菜や果物、ビタミンB12や葉酸は牛レバー、豚レバー、魚介類、貝類、卵黄、チーズ、大豆、納豆、ほうれん草、ブロッコリーなどに多く含まれます
下痢が始まったら

抗がん剤で腸粘膜が障害されたら下痢の症状が起こります
下痢が24時間以上続いたり腹痛がひどい時には医師、看護師にご連絡ください
主治医は下痢止めをだすかもしれませんが、市販の下痢止めは使わないでください
下痢が起こった時の対処法
食事は量は控えめにし、回数でおぎなってください
コーヒー、紅茶、アルコール、甘いものは避けましょう
せんいの多い食べ物を多くとると下痢・腹痛が悪化するので控え、せんいの少ない食べ物をとりましょう
揚げ物や、脂っこい食べ物、刺激の強い食べ物は避けましょう
牛乳や乳製品が下痢を起こしやすい方は控えましょう
カリウムが多く含まれるバナナ、オレンジ、じゃがいも、桃などを食べましょう
下痢で失われた体の水分を補うように充分な水分補給をしましょう。マイルドで透明な飲み物、例えばりんごジュース、水、うすいお茶、コンソメスープ、ジンジャーエールなどが適しています。飲み物は室温にしてから飲んでください
一日に7~8回を超える下痢の場合には主治医にご相談ください
透明な飲み物だけでは栄養が足りませんので3~4日以上続くときは病院での点滴が必要となります

便秘がひどくなったら
化学療法の副作用で便秘することがあります
日常活動が減ったり、食事量が減るため便秘することもあります
麻薬の鎮痛剤を使っている場合も便秘を起こしがちです
2~3日以上便秘が続く場合には主治医は下剤を処方するでしょう
白血球や血小板の減少時など、下剤を使わないほうが良い時もありますので主治医にご相談ください
温かい飲み物を充分に取ると良いでしょう
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せんいの多い食べ物をたくさんとりましょう
水溶性食物繊維
粘性があり保水性が高いのが特徴。大腸内で微生物が分解する。 糖分の吸収速度を緩やかし、食後の血糖値が急激に上昇しないように抑えるため、糖尿病の予防や改善に役立つ
ペクチン: 熟した果物、かぼちゃ、キャベツ、ジャガイモ
ガム質: 豆、大麦、オーツ麦
ヘミセルロース: 海藻類
不溶性食物繊維
水分を吸着保持して腸内の有害物質を体外に排出するはたらきがあり、便の容積を増して排便を促進する。 その結果、便秘の予防や改善に役立つ
セルロース: りんご、大豆、ごぼう、穀物
ペクチン: 未熟な果物、野菜
キチン: えび・かにの殻
イヌリン: ごぼう
適度に体を動かしてください。ちょっとした散歩や、軽い体操で結構です
口内炎が起こったら

化学療法中の口内の手入れは大切です
抗がん剤は口の中やのどに痛みを起こし乾燥させ、刺激し、出血させることがあります
痛みだけでなく口腔内の常在菌による感染症を引き起こすことがあります
口内、のどの感染症は化学療法中は治りにくく重大な問題を起こすことがあります
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口内、歯ぐき、のどを健康に保つには
化学療法前に歯科医に歯や歯ぐきが健康かどうか、入れ歯は問題ないか見てもらいましょう
歯の磨き方、歯間の手入れの仕方を教わりましょう
毎食後、やわらかい歯ブラシを使ってソフトに丁寧に歯磨きをしましょう
歯ブラシは清潔を保つように気をつけましょう
市販のうがい薬は刺激性のある塩やアルコールが入っているので使用しないでください。代わりに、刺激の少ない抗菌性のうがい薬を主治医に依頼してください
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もし口内炎が起こってしまったら
対処法や薬について主治医や看護師におたずねください
食べ物は冷たいものや室温のものが食べやすいです
お粥、アイスクリーム、ミルクシェイク、乳児食、バナナなどの柔らかい果物、半熟卵、コーンフレーク、チーズ、プリン、ゼリーなど
調理した食べ物を食べやすいようにミキサーですりつぶしても良いでしょう
スパイスや塩のきいた刺激の強い食べ物やトマト、みかん類などのすっぱい果物やジュースやざらざらしたり乾燥した食べ物は避けましょう
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もし口が乾燥したり、あれて食べにくかったら
口内に湿気を与える人工唾液が使えるか主治医にご相談ください
充分に水分を補給してください
氷をしゃぶったりアイスキャンデーや砂糖なしのキャンデーをなめてみてください
砂糖なしガムをかみましょう
パンなど乾いた食べ物はバター、コーヒー、紅茶、スープなどで湿らせ食べましょう
やわらかく清潔な食べ物を食べましょう
唇があれたらリップクリームを塗りましょう
食事量と体重の影響は
女性に多いのですが化学療法中、体重が増える方がいます
体重が増えるにせよ減るにせよ、化学療法の効果をあげるには栄養状態が良いことが重要です
化学療法中、よく食べられる人は副作用も軽度で感染に抵抗力があり、健康組織への再生も速やかです
化学療法中は特に栄養のバランスの良い食事を充分とるよう心がけましょう
また、水分を充分にとることによって、膀胱や腎臓の障害を防止しましょう
食欲がなくなってきたら
吐き気や口、のどのただれのために食事が食べられない日があると思います
また、気分が落ち込んでいたり体がだるい場合も食欲がなくなります
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食欲が低下している時の対処法
食べられそうな時にはいつでも少量の食事やおやつを食べましょう
食事の内容を変えてみたり、新しい食べ物も試してみましょう
食事前にできるだけ散歩してみるとおなかがすきやすいです
食事のいつもの雰囲気を変えてみてはいかがでしょうか、例えばろうそくを灯してみたり、場所を変えてみたり・・・
家族や友人と食事をしたり、一人のときはラジオを聴いたりテレビを見ながら食べてみましょう
市販のビタミン、ミネラル、栄養補助食品をとるべきですか
この質問に対する単純なひとつの答えはありません
しかし、ひとつ明らかなことはこういったものではがんは治せないということです
これらは医学的な治療の代用には決してなりません
主治医に知らせ同意を得ることなくこれらを服用しないでください
皮膚や手足の爪が障害されてきたら
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皮膚の発赤、かゆみ、皮むけ、にきび、乾燥が起こることがあります
【対処法】
にきびができたら顔を清潔に
かゆみには塗り薬があります
皮膚の乾燥を防ぐには長風呂よりも短時間のシャワーを。そして、皮膚が湿っている間にクリームやローションをつけましょう
香水、オーデコロン、アフターシェイブローションはつけないでください
爪が黒ずんできたり、もろくなったり、割れたり、縦すじや横すじがはいることがあります
洗い物や庭いじりなどをする時は手袋で保護してください
たいていの皮膚の障害は重大なものではありませんが、中には急な処置をを要する場合があります
静脈から抗がん剤を使用している時、抗がん剤によっては漏れると皮膚のひどい炎症を起こし潰瘍ができることがあります。皮下に薬剤が漏れると痛みがきますので直ちに医師、看護師にお知らせください
抗がん剤点滴中、もし突然ひどい痒みや発疹、じんま疹が現れたり、息がゼーゼーいいだしたり息苦しくなってきたら直ちに医師、看護師にお知らせください

抗がん剤によっては日光過敏症を起こすいものがあります。その場合には日焼け止めクリーム、長袖のシャツ、帽子などの日光対策が必要となります
もし問題が解決できない場合にはご相談ください
足や体にむくみが出てきたら
顔、手、足、おなかにむくみをきたす原因にはいくつか考えられます
腹水や胸水を合併することもあります
タキソテールなど抗癌剤によっては体にむくみをきたしやすいものがあります
がんの進展によりリンパの流れが悪くなっている場合があります
がんの進行や、食事が充分にできていないため低栄養状態となっている場合もむくみをきたします
塩分摂取を控え目にし、栄養摂取を心がけましょう
主治医の判断により利尿剤が処方されることがあります
神経や筋肉が傷害されたら
ある種の抗がん剤は手や足の灼熱感、筋力低下、しびれといった末梢神経障害を起こす可能性があります
以下のような神経に関連する症状が起こるかもしれません
体のバランス感覚消失
動作がぎこちない
物を拾ったり服のボタンが留めにくい
歩きにくい
あごが痛い
難聴
胃痛
便秘
また、ある種の抗がん剤は筋肉に障害を起こし、筋力低下、筋肉疲労、筋痛をきたすことがあります
神経や筋肉の傷害は早く気付けば大事には至らないことが多く一時的なもので改善していきます。このような症状が現れたときにはすぐに主治医に告げてください
指のしびれが出てきた時は鋭利なもの、熱いもの、危険なものを扱うのは注意が必要です
もしバランス感覚が傷害されたら注意深く動き、階段では手すりを使い風呂でも転ばない注意が必要です
咳がでて息苦しくなったら
薬剤によっては「間質性肺炎」という重大な副作用を起こすことがあります
その症状は、頻回な空咳、発熱、少し動いても息切れがするなどです
腎臓や膀胱は傷害されますか
抗がん剤によっては膀胱を刺激し、腎臓を傷害する可能性があります
あなたの尿の色をオレンジや赤や、黄色に変えたり、匂いが強くなったり薬の匂いになったりします
あなたに使われる抗がん剤が腎臓や膀胱に障害性があるかどうかお尋ねください
以下のような症状が現れたら主治医にお伝えください
排尿時の痛み、灼熱感
頻尿、すぐにトイレに行きたくなる
赤っぽい尿、あるいは血尿
37度以上の熱、寒気
尿の出が問題ないか確かめるため、あるいは腎臓や膀胱の障害を防止するために充分な水分を取るようにしてください
水、ジュース、コーヒー、お茶、スープ、汁物、ソフトドリンク、アイスクリーム、アイスキャンデー、ゼリーなどは全て水分です
感情面への影響は
化学療法はあなたの生活に大きな変化をもたらすでしょう
それは全体的な健康状態に影響し、幸福感をおびやかし、日常活動を乱し、対人関係を難しくするでしょう
あなたや家族が涙もろくなったり不安になったり怒りっぽくなったり沈み込んだりするのは正常な反応で理解できるものです
化学療法の身体的な副作用にいろいろな対処法があるのと同様、感情面への副作用もいろいろな対処方法があります
主治医や看護師にがん治療で困っていることをご相談ください
心理カウンセラーが利用できればあなたの力になってくれます
ひとりで悩まず家族や友人と話をすることは、精神的にずいぶん楽になったり、心を癒してくれるものです
しかし、たいていの人はがんについてよく知らないので、あなたの病気のことを恐れあなたから去っていくかもしれません
また、ある人はあなたに悪いことを言ってしまいあなたの気が動転しないかと心配しているかもしれません
あなたは自ら彼らに病気のこと、治療のこと、あなたに必要なこと、感じていることなどを気楽に話すことによって、彼らから恐れを取り除くことができます
いったん、彼らがあなたと何でも率直に話できることが分かったら、彼らはもっと積極的に心を開いて話し始めるでしょう
また、インターネットで「がん患者の心のケア」のようなサイトを探すと手がかりが得られます
がん患者の心のケアに関する出版物もたくさんあります
性機能や妊娠について
化学療法が性機能や受胎能力を傷害する可能性はありますが必ずというわけではありません
これらへの副作用は抗がん剤の種類、年齢、健康状態によって異なります
男性では
精子の数の減少や運動能力その他の異常が起こりえます。これらは一時的、または永久的な不妊の原因となり得ます。
もし必要ならば将来のため精子保存することも考慮しなければなりません
また、抗がん剤は精母細胞の染色体への危険性(催奇形性)があり化学療法中に子供をつくることは避けるべきです
女性の場合、化学療法が卵巣に障害を与え女性ホルモンが減少するかもしれません
その結果、下記の副作用が出現するかもしれません
月経周期が不規則となったり月経が消失する
閉経時の症状、すなわち顔面紅潮、灼熱感、膣乾燥症などが出現するかもしれません
性器感染症を通常より起こしやすくなります
化学療法種類や期間によっては不妊症をきたす可能性もあります
もし必要ならば主治医や産婦人科医師に早めにご相談ください
妊娠は化学療法中も不可能ではありませんが、化学療法は出生異常をきたす可能性がありお薦めできません
医師は化学療法中は避妊するよう助言しています
もしがんが見つかった時に妊娠していたら出産まで化学療法を延期できるかもしれません
女性がもし急いで化学療法を必要としている時は胎児の特に危険性の高い妊娠3ヶ月を過ぎてから化学療法を開始するかもしれません
しかし、場合によっては、妊娠中絶を考慮しないといけないこともあります
もし、あなたやパートナーが化学療法後の妊娠を希望しているときは主治医にご相談ください