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肺がん
日本人に一番多いのは肺がん
日本人に一番多くなった肺がんであり、日本人の肺がんは増加の一途をたどっています。平成15年の死亡数は昭和30年の約21倍にもなり、特に男性では、平成5年以降胃がんを抜いてがん死亡のトップになりました。平成10年から男女合計でも胃がんを抜いてがん死亡のトップになっています。
欧米では、禁煙対策効果から男性肺がんの死亡率は低下してきていますが、日本では禁煙対策をはじめて日が浅いため、まだまだ増加しています。これらのことから、今ではかがん研究の重要課題になっています。
●肺がんの特徴
肺がんは発生する部位により、「肺野部肺がん]と「中心部肺がん」とに大別されます。
●自覚症状の少ない肺がん
肺がんの確定診断は非常にむずかしく、平均5年生存率は16%程度と低いのですが、早期に発見し切除された場合の5年生存率は70%というデータがあります。このことからも早期発見が重要なことはお分かりいただけると思います。しかし、肺がんは自覚症状の少ないがんですので、定期的に検査を受けることが早期発見の近道になります。
肺がんの危険因子はなんといってもタバコ
肺がんは、タバコを吸う人の罹患率が、吸わない人に比べて4.5倍高いといわれています。男性の肺がんの7割近くは喫煙者です。また、1日40本以上吸う人が肺がんにかかる率は、吸わない人の約20倍というデータもあります。また、毎日20本以上吸う喫煙者の妻の肺がん死亡率は非喫煙者の妻の2倍だとも言われています。たばこは、本人だけでなく周囲の人に与える害が問題になっています。
自覚症状
【肺がんの初期症状】
こんな人は肺がんに注意!
- タバコを20年以上吸っている方。
- 喫煙指数400以上の方(1日の本数×年数=喫煙指数)⇒中心部肺がんの罹患率は非喫煙者の20倍!
- 40~60歳代の男性に多い。
- 同居者に喫煙者がいて副流煙を吸い込んでしまっている方。
- 大気汚染が激しい地域に住んでいたり、有害物質を取り扱う仕事をしている方。
- アルコールを大量に摂取される方。
低線量CT検査はがんのリスクが高い人向き
肺がん検診では、胸部レントゲン検査と喀痰細胞診検査を受けることが一般的です。近年、従来の検査に加えCT検査を追加することで、より小さな肺がんを見つけることができるようになりました。しかし、CT検査では微量ですが、放射線を浴びることになります。放射線被爆という観点からも、むやみにCT検査をうけるのではなく、喫煙など肺がんのリスクが高い場合のみに受けるとよいでしょう。
胃がん
世界の中で日本人には胃がんが多い
世界的に見ても、日本人に胃がんが多いことが特徴的です。統計によりますと、全がん患者の30%(10人に3人)が胃がんです。胃がんは年齢的には、40歳頃から増えてきます。俗に日本人の「がん年齢」は40歳以上といわれているのも、胃がんがこの年齢から増加しているからです。
●自覚症状がない時に発見された胃がんは97%治る
病期はがんが進行するにしたがって第Ⅰ~Ⅳ期に分けられますが、初期の胃がん(Ⅰ期)は、自覚症状が少ないので自己発見が非常にむずかしく、検診で早期がんを発見するのが最善の方法です。日本の胃がんの診断法、治療法は現在では世界最高レベルにあるといえます。特に集団検診が全国的に普及していますので、これを利用して早期に、しかも自覚症状もない時に発見された人の5年生存率は97%となっています。
このように、いまや胃がんは早く発見すれば完全に治せる病気になっているわけです。日本人に多い病気ですが、この意味でも検診の大切さが分っていただけると思います。たとえ自覚症状がなくても年に1度は検診を受けるようにしましょう。
●胃がんの原因は食生活!?
胃がんの発生は食生活に関係があるといわれています。特にバランスのとれた栄養に留意すること、摂取する食品に変化を待たせること、塩辛いものの摂取に注意したりと塩分摂取を減らすことなどの改善によって胃がんの発生を防ぐといわれています。
また、最近ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌が胃の中に住み着いて胃がんの原因の一つになっていることがわかってきました。この菌は40歳以上の日本人の7割が保菌しています。
ピロリ菌感染者が胃がんを発症する確率は10%であり、ピロリ菌に感染していない人が胃がんを発症する確率は0.1%とされています。さらに、ピロリ菌を保菌していて喫煙歴があると、胃がんのリスクは11倍になるという報告もあります。最後に、ピロリ菌の除菌については、現在の保険適応は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの症状のある人に限られています。
胃がんは通常、胃の内壁に現れるものですが、がん細胞が胃の粘膜などの下に拡がるものに「スキルス」があります。これは硬性のものですから胃の弾力性を失わせます。スキルスは、このように表面に出ないうえ、進行が早いので、発見も遅れる傾向にあり、性質の極めて悪いがんです。
こんな人は胃がんに注意!
- 塩辛いもの、味付けの濃いものを好んで摂取する方。
- 緑黄色野菜の不足、牛乳摂取不足のように偏った食事をしている方
- 熱いお茶や熱いおかゆなど、熱いものそのまま食べる方
- お酒を大量摂取する方
- タバコを吸われる方
- 40歳以上の方
- 普段から胃の調子が悪い方
- ストレスの多い生活をしている方
●胃がんの症状
胃がんは進行の程度にかかわらず、症状が全くない場合もありこれが早期発見を遅らせる原因になっています。一般的な症状には、胃もたれ感、胃痛(みぞおちの鈍痛)、胸やけ、食欲不振、膨満感、黒い便などがみられることもあります。これらの症状は胃炎や胃潰瘍などにもみられる症状ですので、胃がんだけに見られる症状とはいえません。したがって、定期的な検診を受けることはもちろん、症状が続くときには早めに受診することが胃がんの早期発見につながります。
大腸がん
増えている大腸がん
わが国における大腸がんによる死亡率は次第に増えております。その原因の1つとして食物の欧米化があげられています。長い間の食習慣が変化し、脂肪摂取量の増加がすすみ、食物繊維摂取量の減少が目立っていることが大腸がんの増加の原因になっていると考えられます。
大腸がんにかかる割合(罹患率)は、40~50歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなります。また、進行度別にみた大腸がんの5年生存率は、転移がない段階での発見なら90%以上が治癒しており(図1)、早期発見できれば直る可能性の高いがんです。
●大腸がんの特徴
大腸がんは、長さ2mの大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸が、がんのできやすいところで、60~70%がS状結腸から直腸に発生します。
また、大腸がんは、腺種というポリープから発生すると考えられていますが、ポリープを経ず正常粘膜から直接がん化する場合もあります。
●大腸がんの症状
-血便に注意-
大腸がんの症状は、血便(便に血が混じったり、便の表面に血液や粘液が付着)、便秘、便秘と下痢を繰り返す、便柱狭小(大腸の通りが悪く細い便がでる)、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などがありますが、血便や便秘による症状は痔でも同様の症状がでることがあり、痔だと思い発見が遅れてしまうことがあります。また、早期の大腸がんには症状がないことが多いのも特徴の1つですので、定期的に検診を受けることが重要となります。
●大腸がんの検査
大腸がんの検査には、便に血液が混じっているかを検査する便潜血検査の有効性が確立しており、安全・簡単・安価という利点から多くの検診施設で行われています。また、内視鏡検査や注腸エックス線検査は便潜血検査より診断制度は高くなります。特に、内視鏡検査では検査中に異常が発見されればそのまま生検(あやしい細胞を一部取りがんかどうかを調べる検査)を行ったり、ポリープを切除することも可能です。しかし、検査による偶発症の可能性もゼロではないこともあり、十分検討の上検診をお受けください。当院では、その他、腫瘍マーカーもオプションで選択できます。
こんな人は大腸がんに注意!
- 油っぽいものがすき。
- 便秘がち
- 肉食で緑黄色野菜や食物繊維をあまり摂取しない。
- 家族や近親者に大腸がんになった人がいる。(家族性の場合若くして大腸がんになる場合があります)
- 大腸にポリープができたことがある。
- 潰瘍性大腸炎をわずらっている。
乳がん
増える乳がん
日本人女性の乳がんは年々増加を続けており、欧米型に近づいています。女性のがんの中で最も罹患率(がんにかかる割合)が高いがんです。特徴としては、35歳ごろから急激に上昇し、45~50際をピークに75歳くらいまで高い罹患率を認めます。
また男性にもまれに乳がんを発症する場合があり、その割合は全乳がん患者の0.6%程度になります。
●乳がんのできやすい部位
●自己検診での早期発見
乳がんの検診には、レントゲン検査(マンモグラフィー)、医師による触診などを組み合わせた乳がん検査や精密検査が行われていますが、同時に乳がんの自己検診を定期的に行い、自分でしこりに気付くことが早期発見の近道になります。乳がんは、5mm~1cmぐらいになると自分で注意深くさわると分かるしこりの大きさになります。
乳がん自己検診の方法は下記をご覧ください。乳がんのできやすい部位を参考に是非実行しましょう。
●乳がん自己検診法
- 自己検査の最適時期
- 月経8~10日目(月経終了から2~3日目)ごろ
- 自己検査の適応年齢
- 20歳以上の全女性
- 入浴時に
- 石鹸を使うときやシャワーを浴びるとき、両方のお乳の上を、滑らせるようにして、あますところなく調べてください。固いものがあれば異常です。ついでに両方の腋の下も、おくまで触ってみます。
- 鏡の前で
- 両腕を上げたり下げたり、両手を腰に当てて肘を前に突き出したりします。両方の乳房の形を見比べ、どこかに引っ込んだ部位があったり、膨らんだ部分がないか調べましょう。
- 仰向けに寝て
- 検査する側の肩の後ろに枕をいれ、検査するが他の手を頭の下において寝てください。これで、右の乳房は平らになります。反対方の手で渦巻きを描くように指先を動かして硬いところがないか探します。引き続き反対側の乳房も同じように調べます。最後に、両方の乳首をつまんでみましょう。何か液体が出てこないが調べましょう。異常がありましたら、すぐに医師の診察を受けましょう。
●早期治療により100%近く治るがん
他のがんよりも治療成績がよいのが乳がんの特徴です。がんの部位にもよりますが早期に発見すれば乳房を温存しながら100%近く治癒することが可能になります。しかし、進行してしまうと長期間治療を受けなければならないばかりか、他へ転移してしまうこともあります。早期発見のために、定期的な自己検査と定期健診を受けましょう。
こんな人は乳がんに注意!
乳がんが増えてきたことは、食生活の欧米化と女性の社会進出が関係しています。
- 高タンパク、高脂肪による肥満がある方。
- 40歳以上の方。
- 出産経験がない人、または初産年齢30歳以上の方や高齢初産の方。
- 閉経年齢55歳以上。
- 良性の乳腺疾患の既往歴がある
- 乳がんの家系の方。
肝臓がん
男性が女性の2.2倍多いがん
肝臓は、人間の体に役立つ胆汁をつくり、また小腸から吸収した栄養分を備蓄し、それを全身へ供給したり、毒物を分解するなど500種を越える機能をもつ大変重要な臓器で、腹部の臓器としては一番大きく、重さは大人で1kg以上あります。
肝臓がんによる死亡者数を見ると、肺がん、胃がん及び大腸がんについで、4番目に多くなってきています。男性・女性についてみると、男性のほうが女性に比べてはるかに多く、2.2倍になっており、特に男性は要注意といえます。
肝臓がんははじめから肝臓にできるがんを「原発性肝がん」、他の臓器から移ってくるがんを「転移性肝がん」といいます。
●肝がんの多くは肝炎ウィルスが原因
肝細胞がんは他の臓器のがんと違い、基礎疾患として慢性の肝臓病慢性肝炎または肝硬変のあることが多く、長期に肝細胞の破壊・再生を繰り返すこと”が肝がん発症の大きな原因といわれています。B型肝炎ウィルスの保菌者では、ウィルスそのものが発がんを起こすとも考えられています。日本では、もともと肝障害がまったくない人に肝がんができるのは数%といわれています。
●沈黙の臓器「肝臓」
肝臓は「沈黙の臓器」とよばれ、初期には自覚症状がほとんどありませんので、症状がでるまで気がつかないこともよくあります。定期的に検査を受け肝炎ウィルスの感染を発見することで、インターフェロン療法による治癒も可能となります。
こんな人は肝臓がんに注意!
- 輸血や血液製剤の点滴を受けたことある方。
- 肝炎ウィルスや肝硬変の疾患を持っている方。
- アルコールを大量に摂取する方
- 胃がんや大腸がんなどを5年以内に患ったことのある方
- 肝臓が悪いといわれたことのある方
その他に気を付けたい癌
前立腺がん
前立腺がんの特徴
前立腺は、膀胱のとなりにあり栗の実のような形をした臓器です。その働きは、精液の一部をつくることです。
前立腺がんは高齢者に多く、50歳以下では少ないという特徴があります。前立腺がんという診断を受けるのは、約半数が70歳以上です。前立腺がんの進行は非常にゆっくりのため、それ自体が生命に影響を及ぼさない可能性があります。高齢者の約30%は前立腺がんを持っていても、実際には別の原因で死亡しています。
●前立腺がんと肥大症は別の病気
前立腺のがんは、大体、外腺(前立腺の後方や側方の外側)から発生します。これに対して肥大症は、前立腺の内側の部分が肥大してくる病気です。また、前立腺では50歳を過ぎた人に前立腺がんの「芽」(潜在性がん)ができてくるといわれています。この芽は大部分が芽のままで終わってしまいます。前立腺がんは高齢化に伴って前立腺機能が低下してきて、それに何らかの要因が加わって、細胞ががん化するものであると考えられています。
●前立腺がんの症状
前立腺がんは前立腺の外側にできてくるので、初めのうちは尿がつまるということもなく、これといった自覚症状がありません。がんの病変が進んでくると、徐々に症状がでてきますので、よく注意していることが大切です。前立腺がんの症状には次のようなものがあります。
- 尿道が圧迫されて尿の出が悪くなる。
- 残尿管があり尿が出るまで時間がかかる。
- 排尿時、尿が出始めてから終わりまでの時間が長くなる。
- 尿の切れが悪い。
- 夜間の排尿の回数が多くなる。
- 下腹部が張る。
- 尿意があるのに尿がでない。
前立腺肥大症でも、同じような症状がでてきますので、症状が出るときには、泌尿器科を受診しましょう。
●直腸診やPSA測定で早期発見
前立腺の診断には、まずは直腸診が行われています。この方法は、一番簡単であるとともに発見率も高くなっています。また、これに加え血液中の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)の測定なども行われます。前立腺のがん検診では、この2つを主に行っています。
こんな人は前立腺がんに注意!
- 60歳以上男性の方
子宮頸がん
子宮頸がんは減少
子宮がんは乳がんとともに多い女性のがんです。日本人では子宮がんといっても子宮頸部(子宮のいり口)のがんが多いのが特徴でしたが、子宮体部のがんが、最近は増える傾向がみえてきています。
最近、幸いも子宮頸がん死亡率は低くなってきています。これは一方では子宮頸がんの発生が少なくなってきていること、他方では子宮がんの検診の効果が現れてきているものと考えられます。
●早期発見でほぼ100%治せる
子宮頸がんの初期症状としては、不正出血、おりものなどがありますが、早期の子宮頸がんでは無症状の場合も多く見られます。無症状の場合も定期的に検診を受けることが大切で、早期に発見できれば、手術で治り、妊娠・出産も可能です。子宮体がんは閉経後の人に多く、比較的早くから大部分の人に不正出血などの症状が見られます。
早期の子宮がんは、手術療法や放射線療法によりほとんど100%近く治すことが出来ます。
●HPV(ヒト乳頭種ウィルス)が引き金?!
子宮頸がんの発症には、HPV感染が引き金となり子宮膣部の扁平上皮の異型性が起こり、その後軽度から中等度、高度の異性性へと進行し、上皮がんとなり、最終的には子宮頸がんになるといわれています。高度異型性からがんに進展するまでの期間は一定ではないが、数年から10年ともいわれています。
感染予防として、体を清潔に保つことが予防になるともいわれています。
●若年者にも発症する子宮頸がん
子宮頸がん患者の平均年齢はほぼ50歳で、40歳代後半から50歳代前半にピークです。しかし、20~30歳代でも決してまれではなく、子宮頸がんの3~4人に1人が20~30代です。子宮頸がんの発生には性的活動が大いにかかわっていて、初めての性交年齢が若い人ほど、また性交相手の男性の数が多いほど子宮頸がんになりやすいことが分っています。性の解放時代にある現代、若年者の子宮頸がんやその前がん病変は増えつつあるといわれています。
こんな人は子宮がんに注意!
- 早婚(10歳代の妊娠・出産)
- 多産
- 若年時の性行為
- 多数の相手と性行為
※食事・環境などの影響はほとんどないと考えられています。(ただし、喫煙は関係性が深い)
すい臓がん
すい臓は胃の後ろのほうにある臓器で、食物の消化を助ける膵液をつくる働きと、インスリンやグルカゴンなど血糖値の調整に必要なホルモンを産生するという2つの働きがあります。すい臓がんは近年急増しており、1979年から1999年には、すい臓がん患者はおよそ2倍になりました。この理由としては症状が出にくいことや、発見しにくいことが原因といわれています。
すい臓がんには、早い段階では特徴的な症状はありません。すい臓がんの方が受診された理由を調べますと、「胃のあたりや背中が重苦しい」とか、「なんとなくおなかの調子が悪い」、「食欲がない」、「体重が減った」といった漠然とした症状が多いようです。このほかに、すい臓にがんに関連のある症状として、がんで胆管がつまると皮膚や白目が黄色くなる「黄疸」がでることがあります。黄疸がでると、体がかゆくなったり尿の色が濃くなることもあります。また、すい臓にがんができると血糖のコントロールが上手くいかず、糖尿病のような症状がでることもあります。
●早期発見がカギ
わが国では、毎年22,000人以上の方が膵がんで亡くなっており、日本のがんの部位別死因の第5位にあたります。また、5年生存率は10%未満という極めて治りにくいがんといわれています。しかも、残念なことに、その診断と治療はいまだに難しいことが知られています。膵臓は身体のまん中にあり、胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆嚢・脾臓などに囲まれているため、がんが発生しても見つけるのが非常に難しいのです。その上、どんな人が膵がんになりやすいのかもあまりわかっていません。また、早い段階では特徴的な症状もありません。このような理由で、胃がんや大腸がんのように早期のうちに見つかるということはほとんどありません。膵がんとわかった時にはすでに手遅れということが多いのです。早期発見はどのような治療よりも治癒率の向上に貢献しますので、どうしたら早く発見できるかという研究が意欲的に続けられています。
こんな人はすい臓がんに注意!
- 男性に多い(男性 : 女性 = 14 : 1)
- アルコールを飲まれる方
- 高脂肪食を好んで食べる方
胆のうがん・胆道がん
胆石を持っている人の0.5%が胆のうがん
胆のうがんの30~60%の方が胆石を持っています。このため、中高年者の胆石をもっている方の200人に1人が胆のうがんであり、特に男性よりも女性のほうが多いのが特徴のがんです。
他のがん同様に初期症状はないため、胆石を持っている方は、1年に一度くらいの頻度で超音波検査を行い、胆のうに異常がないかを検査するとよいでしょう。
また、胆石を持っている方に多いという特徴があるため、胆石の手術のときに偶然がんが発見されることも多いです。
こんな人は胆のう・胆道がんに注意!
- 胆石を持っている方
- 好発年齢:60~70歳(60歳頃と高齢者に多い)
- 女性に多い(女性 : 男性 = 2 : 1)
- 高脂肪食を好んで食べる方