治療支援部門

リハビリテーション科

診療科紹介

研鑽・連携・真心・主体性を大事にする
リハビリテーション

ごあいさつ

 当院は、「高度の急性期医療で地域に貢献」を理念に、主としてさいたま市の地域の皆様の安心・安全な生活を、急性期医療の現場より支援させていただいております。
 その中でリハビリテーション科は、医師の指示のもと70名を超える理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の専門職が、心身ともに病める患者さんに対して早期の日常生活・社会生活の復帰へ向けたリハビリテーションを提供しております。患者さんの心身機能の回復を第一に、科学的根拠に基づいた入院・手術翌日からの「早期リハビリテーション」を多職種連携のもとに実践することで、多くの患者さんの社会復帰に貢献出来るよう努力しております。我々の取り組みの一部を、こちらのホームページに記載致しましたので、ぜひご覧ください。
 これからも、地域の皆様が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられますよう、包括的なリハビリテーションによる支援体制の構築に更なる磨きをかけ、患者さんの想いに寄り添ったリハビリテーションを実践して参ります。

リハビリテーション科 科長
山口 賢一郎

リハビリテーション科とは

 リハビリテーション科は、神経、骨・関節、内臓疾患などにより機能障害、能力障害(移動・身のまわりの動作・コミュニケーションなど)を来たした患者さんに対して、診断・評価を行い、失われた機能の回復を促すとともに、残された能力を生かすための治療や訓練を行います。また、多職種と協同し、家庭復帰や社会復帰に貢献できるよう援助しております。

特色

脳血管疾患

長下肢装具を使用した歩行練習

電気刺激療法(エスパージ)

 脳出血や脳梗塞などの脳卒中や外傷による脳損傷、特発性正常圧水頭症などの患者さんを中心に対応をしています。集中治療室・一般病棟のおよそ95%の方が48時間以内の早期にリハビリテーションを開始しています。より早い段階で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による専門的な評価を行い、早期離床や摂食・嚥下訓練を始め、歩く練習や生活に直結する動作を通じて社会復帰をサポートします。また、継続してリハビリテーションが必要な患者さんには、スムーズに回復期リハビリテーション病院に移ることができるように、情報共有や情報発信を行います。

整形外科疾患 スポーツリハビリ

 当院では大腿骨頸部骨折の手術(2024年度265件)を中心に、外傷性骨折、変形性関節症といった整形外科疾患を対象にリハビリテーションを実施しています。約97%の方が手術後48時間以内にリハビリテーションを開始し、疾患ごとに個別対応をしています。歩行再獲得だけでなく在宅生活に向けての動作指導を行い、必要に応じて退院後も社会復帰に向けて支援させていただきます。

 日々、知識・技術の向上を目標にチーム一丸となって質の高いリハビリテーションの提供を目指しています。

外科疾患

 外科手術を控えた患者さんにとって、一番の不安は、手術後元の生活に戻れるのだろうか?どのくらいで退院できるのだろうか?といった事ではないでしょうか?

 当科ではそんな不安を解消すべく、入院前よりリハビリテーションで関わらせて頂いております。入院前は主に手術後の合併症の予防のために呼吸訓練、自主トレーニングの指導を実施しています。入院後は今後の流れの説明、身体機能のチェック、生活状況の確認し、手術後のリハビリテーション計画を立てていきます。手術後は痛みの状況等に応じて、早期よりリハビリテーションを開始いたします。医師や、看護師と連携し最適なリハビリを提供し早期退院、社会復帰を目指します。泌尿器科の手術を控えた患者さんには、骨盤底筋体操の指導を実施し、尿漏れの改善に向けて支援しております。一人一人のニーズに合わせて、不安なく入院生活を送れるよう支援していきます。

内科疾患

 内科領域では主に循環器(心筋梗塞、心不全、不整脈等)、呼吸器(慢性閉塞性肺疾患、誤嚥性肺炎等)などの病気で入院された患者さんを対象にリハビリテーションを実施しています。
 病気の名前を聞くと、リハビリテーションなんかして大丈夫だろうか?返って悪くなってしまうのではないか?そんな気持ちを抱く方も多いかと思います。入院して寝ている状態が続いてしまうと、全身の筋力、体力の低下が起きやすい状態になります。その予防として、適切な時期に動き始めることが大切になります。
 当科では定期的にカンファレンスを実施し、医師、看護師と共に患者さんに適した負荷量でのリハビリテーションを提供しています。退院後の生活に不安がないよう、再発防止の観点も含めて、患者さんやそのご家族にも生活指導を実施しております。また心臓の疾患に対しては必要に応じて、退院後も外来リハビリテーションを実施し、増悪防止や、職場復帰等その方に適した生活を送れるよう支援しております。

日常生活動作練習

 私たちはふだん何気なくご飯を食べたりトイレに行ったり着替えをしたりしています。(それらを「日常生活動作」と呼びます)。リハビリテーション科ではそういった身の回りのことが病気やケガなどによってできなくなってしまった患者さんのサポートをしています。作業療法士を中心に箸でのつまみ動作、上着の脱ぎ着、浴槽のまたぎなど様々な生活動作の練習や道具の調整などを行っています。病気・ケガの状況に応じて少しでも自身で楽に行えるよう関わっています。
「自分のことは自分でしたい」とういう患者さんのご希望を少しでも叶えられるよう、日々工夫を凝らしながら支援をさせていただいています。

高次脳機能障害

 事故や病気で脳に損傷を受けると注意力や記憶力の低下、ことばの出にくさや行動・性格の変化など様々な高次脳機能障害が出現することがあります。
 当院では、早期よりコミュニケーション面や生活動作場面などにより評価・介入を行い、多種の高次脳機能検査などを用いながら、個人の症状を把握し、在宅復帰や社会参加などの一人一人の生活・目標・転帰に合わせて、より円滑で豊かな社会生活やコミュニケーション活動が行えるよう、リハビリテーションを通して高次脳機能障害をサポートしています。また、家族等への情報提供や、必要に応じ退院後の外来リハビリテーションなども行っています。

嚥下摂食障害

 脳血管疾患による麻痺や神経・筋疾患、加齢による筋力低下などにより、食べる・飲み込むことが難しくなった患者さんを対象に、リハビリテーションを行います。
 当院ではVF検査(嚥下造影検査)を行うことができるため、より詳細な嚥下機能の評価ができ、その結果を訓練プログラムの立案、食事形態や食事方法、食事中の姿勢などに役立てることができます。また、多職種との連携としては医師や看護師、栄養士など多数の職種からなるNST(栄養サポートチーム)により、入院患者さんに最良の栄養方法等、内容の相談・検討を適宜行っています。複数の視点から評価を行うことで、患者さんが退院後も安心して食事が食べられるようにアプローチをしていきます。

緩和ケア

 がんと共に生きる患者さんとご家族の尊厳を大切にし、生活の質の向上を目指し、患者さんがその人らしい生活を送れるよう支援しております。当院緩和ケアの理念に基づき、当科では患者さんとそのご家族の思いを大切にし、充実した時間を過ごせるよう支援してまいります。
 『家族に迷惑をかけたくない』『身の回りの事を自分で行いたい』などの様々な思いと、身体の変化とのギャップに対し苦痛を生じることが多くあります。リハビリテーションでは、できる限りご自身で出来る動作方法の検討や福祉用具の使用や環境調整など行い、自律した生活が送れるよう支援してまいります。

地域支援事業

 主に介護予防サポーター養成講座、介護予防教室、自主グループ(通いの場)の支援、地域ケア会議への参加活動をしております。高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、行政・地域包括支援センター協力のもと、地域支援事業に参加し、リハビリテーション専門職の観点から地域全体での包括的な支援を行っています。

装具診

 装具が合わなくなった、あるいは新しく作り直したい。

 医師、理学療法士、作業療法士、義肢装具士による評価の下、上肢・下肢装具や義肢、インソールなどの新規作成や修理・調整を行っています。
 入院中の患者さんはもちろんのこと、地域にお住まいの方や地域で活躍されているセラピストからのご相談も承ります。一般外来での装具診をご希望の際は、リハビリテーション科医師の診察にてご相談ください。

※当院は埼玉県理学療法士協会が作成する「脳卒中下肢装具マップ」にも掲載されております。
 下記外来担当時間をご確認の上、お電話にてご予約下さい。(代表:048-665-6111)

担当医

医長 菊池 朋子(きくち  ともこ)

医長  菊池 朋子(きくち ともこ)

【資格】

日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定内科医
日本プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア認定医
日本心臓リハビリテーション学会認定心臓リハビリテーション指導士
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
難病指定医
日本内科学会認定 JMECC 修了
身体障害者福祉法第15条指定医師(心臓機能障害)

医長 松田 晶子(まつだ  あきこ)

医長  松田 晶子(まつだ あきこ)

【資格】

日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定内科医
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(心臓機能障害)

外来担当医

時間/曜日
午前受付
8:00 〜 12:30
(診察)9:00 ~
菊池 朋子 心臓リハ 9:00~12:00 予約制
担当医 予約制
午後受付
12:35 〜 17:00
(診察)14:00 ~
松田 晶子 心臓リハ 14:00~16:00 予約制