治療支援部門

臨床検査科

検査の種類

生化・血清学検査

血液・尿などに含まれる成分の検査を行います。主な臓器、機能別に分けると次のようになります。

肝 臓
TP、AST、ALT、LDH、γGTPなど
膵 臓
アミラーゼなど
腎 臓
UA、BUN、クレアチニンなど
電解質
Na、K、Cl
感染症
HBs抗原、HCV抗体など
心 臓
CK、BNPなど
炎 症
CRPなど
腫瘍マーカ-
CEA、CA19-9
甲状腺
TSH、FreeT-3、FreeT-4など

血液学検査

赤血球・白血球・血小板の数や形態観察を行い貧血・多血症、炎症・腫瘍などを調べます。
初診時の基本検査や血液疾患の診断や経過観察などに用いられます。凝固検査では、血液が固まる機能を調べます。

一般検査

尿中の糖や蛋白、尿から排泄される有形成分(白血球・赤血球・細胞(尿道等を構成)など)を調べます。
これらは、腎・尿路系の疾患や肝・内分泌などの器官の機能や病態を把握するために有用です。便の潜血反応で、消化管の出血の有無を判定します。寄生虫・妊娠反応・髄液などの検査も行っています。

輸血検査

安全で適正な輸血が行われるために、血液型(ABO式・Rh式)、不規則性抗体、交差適合試験を行います。

生理機能検査

 心電図検査

四肢と胸部に電極を取り付けて心臓の電気的活動を記録します。不整脈、狭心症、心筋梗塞などの疾患を診断することができます。検査は5分程度です。
また、ホルター心電図では、短時間の心電図記録では捉えられない不整脈や狭心症を24時間心電図を記録することで、どんな種類の不整脈がどれくらいの頻度で出現しているか検査します。装着にかかる時間は10分程度です。

 負荷心電図
負荷心電図のイメージ

トレッドミル検査やマスター心電図検査を行います。
トレッドミル検査は傾斜・速度が変化するベルトの上を歩いて運動したときの心電図及び血圧の変化を測定します。狭心症や不整脈の評価を医師立合いのもとでおこないます。検査時間は30分程度です。
マスター心電図検査は、階段昇降の前後での心電図変化を評価します。検査は20分程度です。

 肺機能検査

肺にどれくらい空気を取り込むことができるか(肺活量)、また一気にどれくらい空気を吐き出せるのか(努力性肺活量)を測定し、喘息や肺気腫の有無、手術前の呼吸機能を評価します。検査は10分程度です。

 ABI・PWV検査
ABI・PWV検査のイメージ

両腕・両足の血圧を同時に測定し、足首と上腕の血圧の差や、血管を通じて手や足に伝わっていく脈の速度から血管の詰まり具合や血管の硬さ、血管年齢がわかります。検査時間は10分程度です。

 エコー検査

心臓・腹部・甲状腺・頸動脈・乳腺・下肢などを超音波を用いて検査します。各部位にゼリーを塗り検査します。

【各部位のエコー検査所要時間(目安)】
部 位
所要時間・検査内容
 心 臓

約40分
心臓の動きや形・大きさの異常、弁膜症の有無などを確認します。

 腹 部

約20分
肝臓・腎臓・膵臓・胆嚢・脾臓などを検査します。検査前は、食事の影響を受ける為、禁食となります。

 甲状腺

約20分
主に大きさ、腫れや腫瘍の有無を確認します。

 頸動脈

約40分
血管の詰まりや血液の流れを観察し、動脈硬化の有無を確認します。

 乳 腺

約20分
乳房内のしこりが良性か悪性かを確認します。当院では必ず、女性技師が検査を実施します。

 下肢血管

約60分
足の付け根から足首までの血管(動脈・静脈)の狭窄や血栓の有無を確認します。

 脳波検査
脳波検査のイメージ

脳は活動にともない常に微弱な電波を出続けています。その電気的な変化を頭部につけた電極でとらえ、波形を記録します。光刺激、過呼吸、開閉眼の刺激を与え脳の反応を調べます。てんかん、意識障害などの診断に役立ちます。検査は90分程度です。

 神経伝導速度

上肢や下肢の神経を電気で刺激し、神経の機能を調べます。手足のしびれや、麻痺、脱力感など末梢神経障害が疑われる場合に検査します。運動神経伝導速度(MCV)と感覚神経伝導速度(SCV)を測定します。検査は神経の種類により異なりますが30~90分程度です。多少痛みは生じますが、体には無害な検査です。

 聴力検査

どのくらい小さい音まで聞き取ることが出来るかを検査します。
防音室に入っていただき、いろいろな周波数の音を大きい音から順に聞き、どのくらいの音量できこえたかを調べます。
検査は30分くらいです。

 PSG検査

スリープサロン外来受診の方の睡眠を評価する検査です。脳波、心電図 いびき 胸腹部運動 呼吸 血中酸素飽和度 眼球運動などのセンサーを取り付け、睡眠中の測定データを解析し、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなどを評価判定します。検査は一泊入院が必要です。
また、簡易型モニターを使用すると、自宅での検査も可能です。