専門外来

膝・スポーツ外来

膝・スポーツ外来では主に下記のような患者さんを対象としております。

  • 膝周囲の骨、軟骨、靭帯を原因とした疾患
  • 膝の靭帯損傷、半月板損傷
  • スポーツでの肩・肘・膝・足の違和感や痛みがとれない
  • 捻挫や脱臼のあと痛みが続いている
  • 日常生活の中で、大きな原因はないがだんだん膝の痛みが強くなってきた

スポーツや事故などによる靭帯損傷や半月板の損傷だけでなく、年齢により進行する変形性膝関節症でお困りの方も、どのように痛いのか、どういう状況に困っているのかを判断し、ご本人に合った治療法を提供することを目標としております。

代表的な疾患とその訴え

変形性膝関節症


特に原因はないけどだんだん膝が痛くなってきた、痛い期間が長くなってきた。

膝前十字靭帯損傷


スポーツや事故で膝を捻ったときに膝に衝撃があった、ブチッという感触があった。

半月板損傷


膝を捻ったあとから歩行時に痛みが取れない、しゃがんだときに膝裏や内外側に痛みがある。

膝軟骨損傷


膝を捻ったあとから歩行時に痛みが取れない、しゃがんだときに膝裏や内外側に痛みがある。

膝蓋骨脱臼


膝蓋骨が外側に外れた(自然と整復されることも多いです)。

足関節捻挫


足首を捻って晴れている(骨折していることや重度の捻挫もあります)。

アキレス腱断裂


スポーツ中や走り始めに、足首を後ろから蹴られたような感触があった。

全身の疲労骨折


同じような負荷がかかる運動を繰り返し行うことで、徐々に痛みを感じるようになる。

よくある部位:足の甲付近の痛み、下腿の痛みなど

成長期のスポーツ障害


多岐にわたります。

などがあります。お気軽にご相談ください。
なお、当院では肩の関節鏡は行っておらず、肩関節鏡下の手術が必要となる場合は近医へご紹介させていただきます。

膝前十字靭帯損傷

膝関節は大腿骨と脛骨、膝蓋骨の3つの骨で構成されている関節です。それぞれの骨がグラグラしないように靭帯でつながっており、主な靭帯として前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯の4つがあります。スポーツ外傷や交通事故などで靭帯が損傷されると不安定になることがあります。特に、前十字靭帯は膝関節のねじれ、脛骨の前方移動を制動しているため、一度損傷されるとその制動が回復しないことが多いです。

原因

スポーツでの膝外傷の中でも頻度が高く、バスケットボール、バレーボール、スキーなどでのジャンプの着地、ストップ動作、急な方向転換といった動作で発生することが多いとされています。

症状

前十字靭帯損傷の場合、膝にブチっという断裂音を感じることがあります。関節内では出血に伴い腫脹がみられます。疼痛や腫れは2週間程度で改善しますが、膝の不安定感や抜けるような感じが続くことがあります。

診断

ほとんどの場合、診察とMRIによって診断が可能です。膝の不安定性を確認することが重要です。一般の整形外科では診断が難しいこともありますので、専門医を受診してください。

治療

前十字靭帯は一度損傷すると自然経過での治癒はほぼ見込めず、その機能も回復しません。
一般的に前十字靭帯の損傷がある場合、スポーツ復帰が難しくなる場合が多いです。また、スポーツをしない人でも経年的に膝の負担がかかり、関節内の軟骨、半月板を痛めてしまうため、変形性膝関節症になりやすくなります。ですので、スポーツをされない方でも長期的には手術を行った方が良いとされています。中高齢者でスポーツをされない場合は保存的な治療を選択することもあります。

〇保存療法
膝動揺抑制装具を装着し、可動域訓練を行います。歩行は2週間程度で可能となる場合が多いですが、膝の不安定性は残る場合があります。
〇手術療法
損傷した靭帯の代わりに、患者さん自身の腱(自家腱)を採取し、靭帯を再建する前十字靭帯再建術を行います。当院では関節鏡を用いてできる限り傷を小さく行います。自家腱としてはハムストリングスの一部、もしくは膝蓋骨の下にある膝蓋腱の一部がよく使われます。入院期間は2週間程度で、退院時は装具をつけて退院となります。術後のリハビリテーションが重要となります。

半月板損傷

半月板とは、膝内部の大腿骨と脛骨の間で、内側(内側半月板)と外側(外側半月板)に1枚ずつ存在する繊維性軟骨です。関節面で膝の動きをスムーズにしたり、制御するとともに、膝にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割があります。
半月板はスポーツや外傷などで膝に強い力が加わったり、加齢によって変性してくることで日常生活動作でも損傷することがあります。
半月板を損傷すると膝関節の痛みや可動域の制限が出てきます。

診断

大きく分けて保存療法と手術療法があります。

〇保存療法
変性による断裂で、半月板の不安定性がないものは保存的に治療を行います。
〇手術療法

痛みや引っかかり感などがあり、半月板の不安定性がある場合は手術を行います。通常関節鏡視下に手術を行います。

半月板切除術 半月板は血行が悪い部分が多く、修復術による治癒が期待できない無血行野の断裂などは部分切除を行います。部分切除により安定した半月板の温存を目指し、できる限り荷重機能を温存します。

半月板修復・縫合術 半月板の外周部分は比較的血流が良く、1cmを超える損傷の場合は可能な限り修復術・縫合術を行います。

予後

やむなく大部分の切除となったり、半月板機能の喪失がある場合はスポーツ活動のパフォーマンスの低下が想定されます。無理なスポーツ活動の継続は早期の関節症性変化に至るため、適切なスポーツ指導が必要となります。

膝蓋骨脱臼

通常、大腿四頭筋と膝蓋腱の牽引方向は膝の外側に向かうので、膝蓋骨は外側に脱臼します。
膝蓋骨脱臼を起こす人は生まれつき素因があることが多く、大腿骨や膝蓋骨の形や位置の異常がある場合がみられます。
初回脱臼のあと、自然と整復されることも多いですが、20~50%の方が繰り返して脱臼することが指摘されています。

診断

受傷時の状況や触診などで診断できますが、来院時には自然と整復されていることも多いです。骨折の有無を確認するためにレントゲン撮影、靭帯損傷を確認するためMRIの撮影を行います。

治療

初回脱臼の場合、骨折がなければ装具を用いた保存療法をおこないます。骨軟骨損傷を伴っている場合は手術療法を第一選択とします。
手術では①内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)再建術、②脛骨粗面内側移行術、③外側支帯解離術 などの方法を、脱臼素因を考慮して組み合わせて行います。

足関節捻挫

足関節捻挫は靭帯損傷も含み、スポーツによる急性外傷としては最も頻度が高くみられます。そのため軽視される場合も多く、慢性化する場合が多いので注意が必要です。

原因

足関節を内側に捻って受傷することが多く、その場合外側の靭帯を損傷します。

診断

圧痛、レントゲンでの骨折の有無の確認、ストレス撮影による不安定性の確認を行います。超音波検査により靭帯損傷の有無を確認することもあります。

治療

急性期では受傷部位のRICE処置が重要になります。程度により3度に分け、おおまかな治療期間の目安になります。
1度:軽度の軟部組織、靭帯損傷
2度:中等度の損傷。靭帯の部分断裂や腫脹が強く歩行が困難
3度:靭帯の完全断裂、関節包の損傷があり、不安定性がある
多くの場合は外固定やテーピングでの治療となりますが、不安定性が強い靭帯損傷がある場合では手術が必要になることもあります。
日常診療においては、軽い捻挫だと思っていたら骨折していた、そのうち治ると思って放置していたら不安定性が残ってしまった、といった場合がありますので、医療機関を受診するようにしましょう。

アキレス腱断裂

ふくらはぎの筋肉と踵の骨をつなぐ腱をアキレス腱と呼びます。この腱が部分的もしくは完全に切れてしまった状態をアキレス腱断裂といいます。30~40歳代でよく起こりますが、高齢の方でも受傷することがあります。
若い人ではスポーツ活動中のダッシュ、ジャンプ、着地などでアキレス腱に強い力がかかったとき、高齢者では段差につまずくなどの日常生活レベルでの力でおこることがあります。
受傷時には後ろから蹴られたような感じ、ブチっという音がした、といった表現をされることが多いです。

症状

体重をかけることが難しい、つま先立ちができない、といったものがあり、アキレス腱が断裂していても足関節を底屈(足首を下に曲げる)ことはできる場合が多いです。

診断

通常触診で診断することが可能です。ふくらはぎを掴んでも足関節が底屈しない場合、Thompsonテストが陽性となりアキレス腱断裂の可能性が高くなります。

診断

ほとんどの場合、診察とMRIによって診断が可能です。膝の不安定性を確認することが重要です。一般の整形外科では診断が難しいこともありますので、専門医を受診してください。

治療

保存療法と手術療法があります。

〇保存療法
メリットとしては手術をしなくて済むことです。ギプスや装具を用いて治療を行います。約3~4ヶ月で歩行が可能となり、6ヶ月でスポーツ復帰となります。底屈筋力は低下する場合があります。
〇手術療法
メリットには、治療中の再断裂が少ないこと、荷重開始時期、スポーツ復帰への早さがあげられます。試合レベルでの復帰は6ヶ月程度かかる場合がほとんどです。活動レベルの高い方や、今後もスポーツを継続したい方には手術をお勧めすることが多いです。

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担当医

医長 浦田 泰平(うらた たいへい)

医長  浦田 泰平(うらた たいへい)

【資格】

日本整形外科学会整形外科専門医
難病指定医

外来担当医

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浦田 泰平 
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