診療科
腎盂尿管移行部狭窄症
腎臓で作られた尿は、腎盂という場所に集められたあと尿管を通って膀胱に溜まります。腎盂尿管移行部狭窄症は腎盂と尿管の境目(腎盂尿管移行部)が狭く、尿が流れにくい状態で様々な症状の原因となります。
原因について
狭窄の原因には多くの因子が関与しているといわれており、内因性通過障害(尿管狭窄、尿管ポリープ)と外因性通過障害(交差血管)が多いとされています。尿が流れにくく水腎症という腎盂が腫れた状態となるため、近年は胎児期・乳幼児期に超音波で指摘されることが多く、無症状のまま経過し成人となってから発見されることもあります。
症状について
症状は腎盂が腫れることによる側腹部〜背部痛・嘔吐、たまった尿に細菌が感染することで起こる腎盂腎炎(発熱など)、血尿、結石形成、腎機能低下などですが、無症状で検診の超音波検査やCT検査で偶然発見されることもあります。
治療について
基本的に症状がある場合、腎機能障害がある場合、経時的に水腎症が悪化する場合には治療が必要です。治療は腎盂形成術という手術が一般的です。
腎盂形成術とは腎盂尿管移行部の狭くなった部分を切除し、再度つなぎ合わせるという手術法です。交差血管が原因の場合には血管が尿管を圧迫しない位置で腎盂と尿管をつなぎ合わせます。開腹で行う場合と腹腔鏡で行う場合がありますが、切除部分のデザインや縫合に高度な技術が必要なため腹腔鏡下腎盂形成術は一部の施設でしか施行されていません。当院では以前より腹腔鏡で腎盂形成術を行っていましたが、2020年4月よりロボット支援腎盂形成術が保険適用となり、ダビンチを用いたロボット手術を開始しました。ダビンチを用いることで手術時間の短縮やより正確な切除・縫合が可能となりました。
<ロボット支援腎盂形成術>