診療科
脳神経外科
2020年~日本脳卒中学会認定 一次脳卒中センター(PSC)
2025年~日本脳卒中学会認定 一次脳卒中センター(PSC)コア施設に認定されました。
「PSCコア」とは、一次脳卒中センター(PSC)の中でも、rt-PA静注療法に加えて機械的血栓回収療法の治療実績や診療体制が整っており、24時間365日これらの治療が行える施設を指します。地域において中核的な役割を担うことが求められ、機械的血栓回収療法を実施できない施設からの患者受け入れ体制も必要とされます。
■PSCコア施設の認定要件
PSCコア施設として認定されるには、以下の条件を満たす必要があります:
- 一次脳卒中センター(PSC)に認定されていること。
PSCの認定条件には、地域からの要請に対し24時間365日脳卒中患者を受け入れ、rt-PA静注療法を含む速やかな診療が開始できる体制、頭部CT/MRI検査などが可能なこと、脳卒中ユニット(SU)を有することなどが含まれます。 - 日本脳神経血管内治療学会の脳血管内治療専門医と3学会認定の脳血栓回収療法実施医が合計で常勤3名以上いること。
- 血栓回収治療の実績が年間12例以上あること。
- 自施設で24時間365日、血栓回収治療に対応できること。
- 脳卒中相談窓口を設置していること。
これらの条件を満たすことで、PSCコア施設は、地域における脳卒中医療の中心的な役割を担い、より迅速で高度な治療を提供できるとされています。
メディア実績
- 2025/11/16 読売新聞「病院の実力<脳卒中>全国版」に当院が掲載されました。
- 2025/03/23 読売新聞「病院の実力<慢性頭痛>地域版」に当院が掲載されました。
- 2022/12/25 読売新聞「病院の実力<脳卒中>地域版」に当院が掲載されました。
- 2022/03/10 読売新聞「病院の実力<脳腫瘍>地域版」に当院が掲載されました。
診療科紹介
当院では2020年4月に脳血管内治療センターが開設されて以来、脳血管内治療の実績も着実に積み重ねてきました。
現在、脳神経外科常勤医4名体制となり、全員が脳神経外科学会専門医であり、脳血管内治療専門医3名(指導医1名)、脳卒中専門医・指導医3名(脳卒中の外科技術指導医1名、認定医2名)、神経内視鏡技術認定医1名という豊富な治療経験を持った医師が診療にあたっております。
重症患者さんについては集中治療室(ICU8床)や重症管理室(4床)で治療可能であり、特にICUではICU専属医師による集中的専門的治療を実施しております。
2015年7月の旧病院から当院への新規移転以降、救急搬送件数の大幅な増加(年間6,500件以上)に伴い、脳神経外科新規入院数も月平均で60名程度、手術件数も2016年度から年間200件以上となりましたが、その後の脳血管内治療センターの開設、PSCの認定、さらにはコア施設への認定となったこともあり、2024年度からさらに救急受け入れ患者数、新規入院患者数ともに増加し、2025年現在では新規入院数月80名以上、手術件数も250件以上となっており、今後さらに増加していくことが予想されます。
特に脳梗塞診療については全国的にも有数の実績を上げており、それに伴い、当科担当ベッド数も当初の15床から50床程度と大幅に増加し、当院の主要診療科の1つです。
手術実績
対象疾患及び治療法
PSCコア施設に認定されたこともあり超急性期脳梗塞に対する血栓回収やt-PA静注療法が急速に増加しております。
また、脳動脈瘤について、当院では破裂(くも膜下出血)、未破裂問わず、低侵襲治療である脳血管内治療を第1選択とし、対応困難症例について開頭クリッピング術を実施しております。特に未破裂脳動脈瘤の血管内治療においては、コイリング、WEB、FDといった選択肢の中から最適な治療法を選択して安全に実施しております。
●当院で実施している脳血管障害手術治療
- 未破裂脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術、血管内治療(コイリング、FD,WEB)
- 破裂脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術、血管内治療(コイリング術)
- 頸部内頚動脈狭窄症に対する内頚動脈血栓内膜剥離術(CEA)、ステント留置術(CAS)
- 頭蓋内動脈狭窄症、閉塞症、脳動脈瘤等に対する血管吻合術(EC-ICバイパス手術や深部バイパス術)、経皮的血管形成術
- 解離性動脈瘤における血管内治療または開頭手術と深部血管吻合術の併用
- 脳動静脈奇形に対する血管内治療と摘出術の併用
- もやもや病に対する直接的、間接的血行再建術
- 脳内出血に対する緊急開頭血種除去術、定位的脳内血種吸引術
■関連ページ
下垂体や髄膜腫、聴神経腫瘍、及び頭蓋底腫瘍等の良性腫瘍については各種神経モニタリング下、必要に応じて頭蓋底手技も用いて熟達した術者により安全に実施しております。下垂体腫瘍では内視鏡下経鼻手術も実績を積んでおります。良性腫瘍の代表である髄膜腫については、腫瘍摘出に先立って血管内手術により腫瘍栄養血管塞栓術を行っています。これにより、手術中の出血量が著明に減少することでより安全な手術を行うことが可能です。
神経膠芽腫に代表される悪性腫瘍についても、術中蛍光色素(5-ALA)を併用した積極的な摘出術を実施しており、術後は放射線治療科と緊密に連携し早期の放射線治療(リニアック、IMRT)及び化学療法を実施しております。また、転移性脳腫瘍については、PET-CTなどを用いた診断が可能であり、必要に応じて腫瘍内科に依頼して術後化学療法も実施しております。
なお、未破裂脳動脈瘤や脳腫瘍などの定時手術においては、無剃毛手術を原則としており良好な結果と非常に高い患者満足度を実現しております。
正常圧水頭症は主に65歳以上の高齢者に特有の疾患で、進行性の歩行障害、認知機能低下、尿失禁などが3大症状とされております。
有病率は0.2~3.7%、罹患率は年間およそ120/10万人と推定されます。(特発性正常圧水頭症ガイドライン第3版)または全認知症患者の3~5%程度を占めるとも報告されております。MRIやCTで脳室拡大などの特徴的な所見で診断されることが多い疾患です。さいたま市(人口約130万人)でも概算で約6,500人程度の患者さんが存在し、かつ年間約1,500人が罹患していると推定されますが、実際に診断され治療まで受けられる患者さんはまだまだ少ない現状です。
当院では院内他科とも協力して患者さんの発見、診断に努めており、また紹介患者さんも増加しており、積極的に受け入れております。
術前には画像検査の他に、高次機能検査、歩行状態の確認などを行い、治療は主に腰椎腹腔シャント術を行っています。全身麻酔ですが、30分程度の所要時間で、手術翌日から1~2週間のリハビリを実施していただいております。退院後も12か月まで外来フォローさせて頂いており、非常に高い症状の改善を認めております。
■水頭症の手術実績
以上、全ての脳神経外科領域の疾患を対象とします。
尚、小児疾患については外来での対応となります。入院加療が必要と判断された患者さんに対しては、診断した上で適切に大学病院などにご紹介いたします。
治験実績
豊富な脳血管障害の実績により臨床治験にも参加しております。
2016.12~2017.11 塞栓源不明の脳塞栓症
2019.12~2021.03 急性期脳梗塞 PhaseⅡ
2023.07~2024.06 急性期脳梗塞治験 2本
診療全般について
MRI2台(1.5Tと3.0T),CT2台(64列と256列)、脳血管撮影等を用いた脳腫瘍、脳動脈瘤などの診断、perfusion MRI等による内頸動脈内膜剥離術や頸動脈ステント前後の血流評価を実施し、脳血管バイパス術も適応を厳密に判断して積極的に行っております。更に、定位脳手術装置を用いた脳内血種除去手術も実施しております。
脳ドック
当院では脳ドッグも積極的に実施しており、年々増加傾向にあります。その中で未破裂脳動脈瘤、無症候性内頚動脈高度狭窄症、脳腫瘍などが発見された場合には当科にて治療しております。
学会発表資料(ご興味のある方はどうぞ)
担当医
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副院長 兼 臨床研修センター長 長田秀夫(おさだ ひでお)
【プロフィール】
2015年4月に赴任して10年経ちました。積極的な救急搬送の受け入れ、近隣病院やクリニック様のご紹介などにより今では県内でも有数の症例数を診療するまでとなりました。若手から中堅の常勤医師も充実してきており、スタッフ一同、今後更に地域の医療に貢献していく所存です。
■個人手術実績(順天堂静岡・防衛医大・当院)
期 間:2004年~2025年
総手術件数:2,000件以上
内 訳:脳動脈瘤クリッピング328件
脳腫瘍摘出403件
血行再建術(バイパス、内頚動脈血栓内膜剥離CEA)173件
その他
■出身大学・卒業年
平成5年 防衛医科大学校卒
■経歴
平成 5年 防衛医科大研修医
平成 7年 海上自衛隊厚木基地医官
平成 9年 防衛医科大専門研修医
平成11年 自衛隊横須賀病院脳神経外科
東海大学医学部病理学講座研究員
平成15年 順天堂大学付属順天堂医院脳神経外科助教
平成16年 順天堂大学付属静岡病院脳神経外科助教、講師、准教授
ドクターヘリフライトドクター兼務
平成19年 防衛医科大脳神経外科講師、医局長
平成27年 当院脳神経外科部長
平成29年~当院副院長、臨床研修センター長
【資格】
医学博士
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中指導医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本頭痛学会認定頭痛専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
臨床研修協議会 プログラム責任者養成講習会修了
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
厚生労働省 面接指導実施医師養成講習会修了
厚生労働省 長時間労働医師に対する面接指導実施医師養成講習会ロールプレイ研修修了
TNT(Total Nutrition Therapy)コース修了
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
日本医師会医療安全推進者養成講座修了
日本救急医学会 ICLS コース修了【専門】
脳腫瘍、脳血管障害 他
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医長 渡邉 定克(わたなべ さだよし)
【資格】
医学博士
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会技術認定医
小児慢性特定疾病指定医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
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齋藤 浩史(さいとう ひろし)
【資格】
医学博士
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中指導医
日本脳卒中の外科学会技術認定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由、平衡機能障害、音声・言語機能障害)
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医
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久保 創(くぼ はじめ)
【資格】
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
日本救急医学会 ICLS コース修了
外来担当医
| 時間/曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前受付 8:00 〜 12:30 (診察)9:00 ~ |
久保 創 |
渡邉 定克 |
長田秀夫 【予約制】(脳血管障害・脳腫瘍) |
黒須 昭博 |
長田秀夫 【予約制】(脳血管障害・脳腫瘍) |
久保 創 【予約制】 |
| 午後受付 12:35 〜 16:30 (診察)14:00 ~ |
齋藤 浩史 |
齋藤 浩史 |
渡邉 定克 【予約制】 |
日本脳神経外科学会データベース研究事業への参加について
本院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願い
現在、当院では「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させていただき、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。
本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、当院での当事業実施責任者の脳神経外科 副院長 長田秀夫 にその旨お申し出くださいますようお願いいたします。
資料の閲覧
詳しくはこちらからご確認ください
その他研究事業についての資料閲覧を希望される方は、研究班ホームページ
(http://jns.umin.ac.jp)をご参照ください。
お問合せ等の連絡先
日本脳神経外科データベース事業事務局
一般社団法人日本脳神経外科学会
〒113-0033
東京都文京区本郷5-26-16 石川ビル4階


