栄養士便り

57 お酢





3月といえば、五節句の一つである桃の節句(ひな祭り)。
近頃、日差しに恵まれない日が続いておりますが、もう少しで春ですね。
季節の変わり目、温度変化に十分に気をつけて、風邪を引かないようにしましょう。

現在、お酢が健康ブームにより様々な形で見かけることが多くなりました。
お酢を使ったドリンクのお店や様々な果実酢が販売されておりますが、お酢はいったいどのような調味料であるのか今回ご紹介します。

お酢というと酸味と独特の香りが特徴的ですが、この酸味こそが様々な意味をもたらしてくれています。

では、お酢はいったい何から作られているのでしょうか?
お米から作られているのを知っている方は少なくないと思います。
原料としては、お米からできていますが、実は酒を発酵させてお酢は作られているのです。
お酢は、塩に次ぐ古い調味料で、日本だけでなく世界中で親しまれている調味料なのです。
フランスのワインビネガー、ドイツやフランスのモルトビネガーなど各地の独自の酒をもとにお酢が作られています。



お酢の効果

減塩効果
酢を入れることで、少ない塩分量でも強く塩味を感じることができます。
代謝促進効果
糖質の燃焼を助け、エネルギー代謝効率を上げ、脂肪燃焼を手助けしてくれます。
疲労回復
疲れの源である乳酸の分解を促進し、疲労回復を早める作用をもっています。
食欲増進
酸味が摂食中枢を刺激し唾液分泌を促す作用があり、食欲が増進すると言われています。
カルシウムとの相乗効果
カルシウムは水に溶けにくく、吸収率が低いのが難点。しかし、酢に含まれる酸と一緒に摂取することで吸収効率アップに。酢に限らず、酸味のあるものとカルシウムを多く含む食品を摂ることで骨粗鬆症予防の第一歩になります。
臭み消し
魚の臭みであるトリメチルアミンを中和し、魚独特の臭みを抑えてくれます。
殺菌作用
酸により細菌の成分である蛋白質を変性し、死滅させる作用があります。しかし、全ての菌に対して有効ではないのでご注意下さい。


ちょっとした豆知識

お酢にはカルシウム吸収を高める作用があると、さきほど言いましたがもう一つお酢は大切な作用をもっています。
それは、ビタミンCの損失を防ぐということです。野菜などは加熱するとビタミンCが損失してしまいます。しかし、調理前に生野菜にお酢をかけたり、調理にお酢を加えることで、加熱してもビタミンCの損失を防ぐことができます。

このようにお酢には様々な作用があるので、ぜひお料理に活用していただきたい調味料の一つです。今まで奥にしまってあったお酢をひっぱり出してみてはいかがでしょうか?
日本料理では酢の物。中華料理では合わせ調味料。西洋料理ではドレッシングなどに。

サプリメントでビタミンやミネラルなどを補うこともいいですが、まずは食事の中から改善し見直してみましょう。