栄養士便り
50 そうめん
最近、暑い日が続いていますが、体調を崩したりしていませんか?
食欲の落ちやすい季節ですが、のど越しのよい冷たい麺類なら食べられるという人が多いのではないでしょうか?
そこで、夏の定番として『そうめん』について紹介します。
そうめんとは、小麦粉を原料とし、食塩や水などを加えてこねた後、麺が乾燥しないよう食用植物油を塗布して延ばして丸棒状に乾燥したものです。
また、JAS(日本農林規格)ではそうめんを機械で製麺した場合、麺の太さは直径1.3mm未満とされ、手で製麺した場合は、直径1.7mm未満で丸棒状に成形したものと定められています。
その他の麺類の基準
・冷や麦:直径1.3mm~1.7mm未満(機械麺)、1.7mm未満(手延べ麺)
・うどん:直径1.7mm以上(機械麺、手延べ麺)
栄養の秘密
そうめんの原材料である小麦粉には、主成分であるでんぷんが65~75%含まれており、麺のツルツルとした食感は熱を加えることによって起こるでんぷんの性質が上手く活かされているのです。また、5~15%のたんぱく質が含まれていますが、たんぱく質を構成する必須アミノ酸の一つであるリジンが不足しています。ですから、肉類や卵、乳製品などと一緒に食べるよう心がけましょう。そして、小麦粉には脂質が1~2%と微量にしか含まれていませんが、胚芽部には約10%も含まれており、必須脂肪酸やビタミンEが豊富に含まれています。
そのほかに、小麦粉には、ビタミン類、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、ナトリウムなどのミネラルが含まれていますが、量的には少ないため、諸外国ではビタミンやミネラルをより強化したものもあります。
小麦粉の種類
強力粉:たんぱく質の割合が12%以上のもので、パンや中華麺などに利用
中力粉:たんぱく質の割合が9%前後のもので、うどんやお好み焼き、たこ焼きなどに利用。
薄力粉:たんぱく質の割合が8.5%以下のもので、ケーキやクッキーなどの菓子類や天ぷらに利用。
全粒粉:精製された小麦粉に比べて食物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれている。パンやビスケットなどに利用。
知って得する豆知識
天ぷらの衣をサクッと仕上げるために、粘りを出してはいけません。ここでのポイントはかき混ぜる回数を減らすため、太めの箸でササッと混ぜることです。また、小麦粉を冷蔵庫で冷やしておき、冷水で衣を溶くことが大切です。
薬味と組み合わせてバランスよく
みょうが:食欲増進、発汗作用、ホルモンのバランスを整える効果
わさび:わさび特有の風味により、殺菌・消臭作用。また、胃を刺激して消化を助け、食欲を増進させる働き。
梅:梅に含まれる酸味成分であるクエン酸には胃腸の働きをよくし、食欲をすすめたり、疲労回復を円滑にする。
しょうが:食欲増進や殺菌作用。また、新陳代謝を促し、身体を温める効果。
ねぎ:血行をよくして体を温め、肩こりや疲労の蓄積を防ぎ、身体の調子を整える働きがある。夏の食欲のないときも、ソバや冷麦に刻んだネギを入れると、食欲増進にも効果的。
きゅうり:身体の余分な熱を取り、利尿作用があり、むくみに効果的。
しそ: 消化酵素の分泌を促し、食欲を増進させて胃の調子を整える作用。
このように薬味は彩りや風味だけでなく、そうめんと一緒に食べることによって、より栄養バランスの優れた一品となるのです。ここでは、薬味との組み合わせについてでしたが、普段の食生活における食べ合わせについても是非この機会に見直してみてください。