栄養士便り

32  噛む





噛む回数を増やしましょう

ものを食べる時は「一口30回以上噛むと良い」とよく聞きませんか?

現在日本人が1回の食事で噛む回数は約600回。
約1500回噛んでいた戦前から比べると半分以下にまで減ってしまっています。
これは戦後、食生活が豊かになった結果、軟らかく、食べやすい食品が好まれるようになったためと考えられます。

噛まなくても問題が無いなら良いのですが・・・
実は『噛む』ということは意外にも身体全体と密接に関係しているのです。

どんなことかと言うと・・・


胃腸への負担軽減
よく噛むことにより、食べ物は小さくなり、口・胃・小腸等から分泌される消化酵素と混ざり合いやすくなるため消化も良くなり、胃腸への負担は軽くなります。

肥満防止
しっかり噛むようになると、嚊んでいない頃より食事に時間がかかります。そのため食事の最中から食べ物の消化吸収が始まり、血糖値が上がり始めます。すると脳の満腹中枢が満腹感を伝えてくれて、食べるのを止めてくれます。その結果、食べ過ぎ防止、肥満防止につながるのです。
体重を減らしたい方は、よく噛む習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
『早食いは太りやすい』
これは本当の話なのです。

脳力UP
脳の血液循環が良くなり、酸素や栄養素が十分に流れるため記憶力がUPすると言われています。現に、学生をよく噛んで食事をするグループと噛まないグループに分けて知能テストを行ったとき、よく噛むグループの成績が良かったとの調査結果も出ています。

唾液に含まれる酵素が、ガン発生に関与すると言われている活性酸素を抑制する効果があるとされています。

その他にも虫歯予防、認知症防止、美肌効果、精神安定、等の効果があるそうです。

食べる速さは意識をしないと変えるのは難しいことです。
でも、食べ方を変えるだけで体に良いこと尽くしなら、試してみる価値はあるのではないでしょうか?

噛む回数を増やす方法として、噛みごたえのある食材を取り入れることをオススメします。ごぼう・れんこん・海藻・大豆など、食物繊維の多い食品に多く、自然と噛む回数は増えていくでしょう。

噛むことが虫歯予防になると上に書きましたが、基本はやはり歯磨きです。
食後の歯磨きの習慣はお忘れなく。