栄養士便り
31 山芋
明けましておめでとうございます。
年末は忘年会、年始は新年会とご馳走を食べる機会が多かったと思いますが、胃腸は元気ですか?
どうしても暴飲暴食しがちなこの時季。
そこで、今回おすすめする食材は『山芋』です。
芋類で唯一
芋類の主な成分の一つにデンプンがありますが、生では消化が悪い成分です。
じゃが芋、さつま芋、里芋、どれも加熱して食べますよね。
でも山芋は、やまかけ、とろろ汁、サラダ、和え物、等々、生で食べることが殆どです。
なぜ、同じ芋類なのに生食ができるのでしょう?
それは、消化酵素である「アミラーゼ」を多く含むためなのです。
消化酵素アミラーゼ
アミラーゼとはデンプンの消化を良くする酵素のことで、人の唾液にも含まれています。「よく噛んで食べましょう」と言われるのは、唾液のアミラーゼと食べ物をしっかり混ぜ合わせ、消化を良くするためでもあります。
麦とろ御飯のようによく噛まずに食べる料理でも消化が良いのは、山芋に含まれるアミラーゼのおかげなのです。
山芋の代表的な食べ方の一つにとろろ汁がありますが、ただおろすだけではなく、すり鉢で更にすることにより、きめが細かくなりアミラーゼの働きも良くなり、消化力はUPします。
この様に、食べ物の消化を助けてくれる山芋は今の時期オススメの一品です!
かゆみ対策
山芋は肌に付くとチクチク、かゆくなりますよね。
これは山芋に含まれるシュウ酸カルシウムという成分の仕業です。
食べ方がまだ下手な子供時代、山芋料理は好きだけどかゆくなるのがイヤ、と悩んだものです。
対処策ですが、シュウ酸カルシウムは酸に溶ける性質があります。
調理後や食後に酢水又はレモン水で洗うと、かゆみが取れますので是非お試しください!
収穫時期は10月~4月までと幅があり、低温貯蔵が可能なため一年中出回っています。その中でも11月~1月が旬になり、今が一番美味しい時期です。 他のネバネバ食品とも相性が良いので、色々な食べ方で楽しんでみて下さい。
今回は山芋の食感を楽しめる料理をご紹介します。
≪作り方≫
1,タコは一口大、オクラは下茹でしておく。
2,長芋はよく洗い、汚れが多い部分は削ぎ落とし一口大に切る(皮は残す)。
3,180℃の油でタコと長芋を素揚げする。
4,油を切り、熱いうちに全ての材料を混ぜ合わせ出来上がり!
アレンジポイント
・長芋の皮が気になる場合は全てむいてしまってもかまいません。
・長芋は表面がキツネ色になる程度揚がればOKです。
(消化酵素は熱に弱い性質をしているので加熱のしすぎには注意して下さい)
・温かいうちに食べても冷めてから食べても、どちらでも美味しく食べられます。