栄養士便り

30 七味唐辛子





温かい食べ物が恋しくなる季節となりました。
お鍋、おでん、豚汁、うどん、そば、などなど。
これらの食べ物には薬味がよく使われますよね。
今回はその中から『七味唐辛子』についてのお話です。


七味色々

七味に使われる物は、赤唐辛子・生姜・山椒・陳皮(ちんぴ→みかんの皮)・黒胡麻・白胡麻・青海苔・麻の実・シソ・・・おやおや、七種以上ありますね。
七味の内容に決まりはありません。
濃いつゆで蕎麦を食べる関東は辛味重視。薄味のつゆでうどんを食べる関西は風味重視が好まれ、地域により内容は変化するようです。
自分の好みに合わせて内容をブレンドしてくれるお店もあるので、自分だけの七味を探してみるのも面白いかもしれませんね



昔は楽だった

七味唐辛子は江戸時代『漢方薬を食事に利用できないか』と考えられ誕生しました。

効能の一部を見てみると・・・

赤唐辛子・・・消化促進、うがい薬、新陳代謝UP
生姜・・・鎮痛、鎮咳、解熱、食欲増進
山椒・・・解毒作用、食欲増進、消化促進
陳皮・・・消化促進、咳止め、腹痛
胡麻・・・滋養強壮、胃腸病
青海苔・・・様々なビタミン、ミネラル類を多く含む
麻の実・・・皮膚炎予防
しそ・・・咳止め、発汗、整腸、食欲増進
どれも健康に良さそうですね。
実際、江戸時代には熱いお蕎麦に七味唐辛子をかけたものを食べて風邪の予防をしていたとのことです。



食べ過ぎには注意

漢方薬に使われる成分と言っても、沢山食べればそれだけ身体に良いかというとそうではありません。唐辛子は食べ過ぎると辛味の刺激が強すぎて胃壁を荒らしてしまい、かえって体調を崩す原因になります。

あくまで薬味。風味を加える程度に、上手に使ってくださいね。