栄養士便り

29 朝食





日の出時間が遅くなり、寒くなると、朝起きにくくなりますね。そんな季節になりました。
朝は1分でも長く寝ていたい。その気持ち、よくわかります。でも、その為に朝食を抜くことなんてことはありませんか?

今回のテーマは『朝食』です。

ある食事摂取調査の結果によると、朝食を食べる人の割合は全体の82.5%だったそうです。この数字を多いと思いますか?少ないと思いますか?

『朝食を抜くのは体に良くない』なんとなくわかりますよね?
では、どう良くないのでしょうか?


①脳の栄養分はブドウ糖だけ!

脳の重さは体重の約2%。でもエネルギー消費量は18%も占めているとても食いしん坊な部分です。それなのに、栄養素の中でもブドウ糖しかエネルギー源にしてくれない性質をしています。
脳はブドウ糖を溜めることができません。『三食を規則正しく食べるのが良い』と言われているのは、脳をきちんと働かせる為にブドウ糖を定期的に摂取する必要があるためでもあります。朝食を食べたグループと食べなかったグループとでは明らかに記憶力、創造力に差が出たとの研究結果もあるくらいです。



このことからも、仕事・学校に行く前、一日の始まりに朝食を食べることは欠かせないことだとわかりますよね。
ブドウ糖はご飯やパンなど主食になるものに多く含まれています。ジュースや甘いお菓子にも含まれていますが、これらの食べ過ぎは肥満傾向になりやすく、腹持ちも良くないので食事の代わりにすることはオススメ出来ません。



②基礎代謝

『基礎代謝』という言葉をご存知でしょうか?
人は寝ている間も呼吸をしたり、心臓を動かしたりしています。これを基礎代謝と言います。朝ごはんを食べないと、この基礎代謝が低下してしまうのです。つまり、同じだけ食事を食べても、基礎代謝の低い人の方が太りやすくなるわけです。


③糖尿病になりやすくなる原因の一つ

朝から何も食べずに体を動かしていると血糖値が低くなっています。そんな状態で昼食を摂ると飢餓状態の体が反応して血糖値がグンと上がってしまいます。血糖値が低いときと高いとき、大きくムラがあると糖尿病の原因になると言われています。


このように、朝食を食べないことは体に良くないことだらけなのです!
ではどこに原因があるのでしょうか?

原因の一つに、夜更かしによる寝不足があげられます。

1,寝不足だとなかなか朝起きられない
2,起きてすぐは食欲がない
3,時間もないから朝食は食べない
悪循環ですよね。

今年から文部科学省が「早寝 早起き 朝ごはん」のスローガンを掲げて全国規模の国民運動を始めました。国も進める朝ごはん。

簡単なものでも良いので、まずは何かを食べる習慣をつけてみてはいかがでしょうか?