栄養士便り
89 鍋料理
冬といえば、冷えた身体を芯から温めてくれる食べ物が欲しくなる季節ですね。
そこで、今回は「鍋料理」についてご紹介します。
みなさんは鍋料理といえばどんなお鍋を思い浮かべますか?
鍋料理は地方の産物を使用した郷土料理といっても過言ではありません。
北海道では石狩鍋、秋田ではきりたんぽ、福岡では鶏の水炊き鍋などたくさんの鍋がありますね。
鍋料理とは?
食卓で鍋を火にかけ、調理しながら食べる料理のことを示します。
昔は、鍋を食卓に置くことはタブーとされていましたが、徐々に鍋料理が親しまれるようになってきた起源には日本の「囲炉裏」が関係しているといわれています。大勢で鍋を囲み箸でつつきながら食べる食事形態は日本ならではの文化であり、現在では家族団らんや良い絆づくりのひとつともいえます。
日本人が不足しがちな栄養素をご存知でしょうか?
日本人に不足している栄養素のトップクラスは、食物繊維やビタミン・ミネラル(特にカルシウム)です。
では、過剰摂取となっている栄養素は、塩分です。日本は古来からご飯、味噌汁、漬物といった組み合わせの料理が馴染み深く、さらに現在では加工食品の増加により塩分摂取過剰傾向となっています。
では、冬の定番料理である鍋料理はどんな栄養素の宝庫となっているのでしょうか?
鍋料理の栄養
鍋料理では、1回の食事で豊富な種類の材料を摂ることができ、油を使用しないものが多いため、ヘルシーな料理となっています。
そして、日本人に不足しがちな栄養素である食物繊維の王様ともいえる野菜を簡単に美味しく食べることが出来るという利点があります。野菜は1日300gを目標に摂りたいものですが、なかなか日常の食事では意識しなければ難しいため不足しているのが現状です。
また、鍋料理は肉や魚、豆腐なども同時に摂取することができるので、ビタミンやミネラル(特にカルシウム)が不足している日本人の食卓には適しているといえますね。
しかし、一つ注意が必要です。それは、塩分!
鍋物のスープはたくさんの旨み成分が出ているため、つい美味しくて一緒に飲んでしまうと塩分過剰となってしまいますので気をつけてください。塩分の摂りすぎは浮腫みの原因ともなるといわれています。
鍋物はついつい手がのびて食べ過ぎてしまうことがありますので、食べ過ぎのないよう腹八分目を心がけてくださいね。