栄養士便り
83 いわし
季節の変わり目、気候の変化が不安定な季節となってまいりましたが体調を崩されてはいませんか?また、集中力が欠けたり、ボーっとしてしまうことはありませんか?
今回は、集中力の源ともいえるDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んだ『鰯』をテーマにご紹介します。
大衆魚№1の鰯
鰯は天敵から身を守るため密集隊形を作って行動します。ですから、水族館などでも鰯の特徴として群れとなって泳いでいるのを見かけますね。
大衆魚№1の鰯は日本で最も漁獲量の多い魚。刺身、つみれ、煮付け、干物やフライなど様々な料理に活用されていますがどのような栄養価をもっているかご存知ですか?
栄養
カルシウム含有量が多く、ビタミンDを豊富に含んでいます。カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDのバランスがよく、効率よくカルシウムを摂ることが出来ます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富。脳の活性化を助け、集中力を高めてくれます。ですから、スポーツ選手なども積極的に摂取されている栄養素の一つになります。これは魚介類に特徴的な栄養素であり、肉類にはほとんど含まれていません。
また、魚の脂肪は季節によって変動し、栄養価も同時に変動します。
ですから、旬の時期の魚がもっともDHAやEPAの含有量も多くなります。
DHAやEPAを豊富に含む魚は他にも、サバやアジ、秋刀魚などの青魚やウナギがあります。鰯でも部位によってDHAやEPAの含有量が異なり、特に血合肉の部分により多く含まれています。
DHAやEPAは身体に良い!といった話をよく耳にしますが、DHAやEPAがどのようなものであるか知っていますか?
DHAとEPAとは
DHAやEPAは魚の脂肪分(脂質)に含まれている脳の神経細胞をつくる栄養素。
脂質は脂肪酸の結合の仕方によって作用が異なります。DHAやEPAは多価不飽和脂肪酸といわれる二重結合が五つ以上ある構造になっています。
多価不飽和脂肪酸のうち、植物油に多く含まれているリノール酸やリノレイン酸などは人間の体内で合成することができない。これらは必須脂肪酸といわれ、食物から上手に摂取しなければなりません。必須脂肪酸が不足すると、皮膚の状態が悪くなり、成長に障害をもたらすことがあります。
そして、多価不飽和脂肪酸であるEPAやDHAには、血清脂質改善効果があるといわれています。
注意点
鰯は鮮度低下が早いため、生食するときには新鮮なものを選ぶようにしましょう。
季節と漁場によっては食中毒原因であるアニサキスの寄生が見られ、生食に際しては細心の注意が必要です。
集中力を高めるためには・・・
食事において「 糖類(ご飯やパン、麺類) + 青魚 + 野菜 」とバランスよく組み合わせた内容を心がけましょう。