専門外来

女性泌尿器外来

日本排尿機能学会より報告された疫学調査によると、本邦における健康な40歳以上の女性の43.9%に尿失禁を認めたとされています。また、欧州5カ国で行われた調査では、18歳から70歳の女性の66.6%が何らかの排尿症状を訴えていました。このように実は泌尿器・生殖器のトラブルで悩んでいる方はとても多いのです。しかし、医療機関の受診率は非常に低く、症状のある方の2割にも満たないといわれています。これは「恥ずかしい」といった羞恥心や、「歳のせい」「病気ではない」「有効な治療法がない」といった間違った認識によるものです。皆さんが悩んでいる症状は「病気」であり有効な治療法があります。
当科には女性医師が2名在籍しております。一人で悩まずに勇気をもって泌尿器科にご相談ください。

骨盤臓器脱(POP)

骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse : POP)は骨盤の底を支える線維組織や筋肉が脆弱化し、膀胱、子宮、直腸などの骨盤内の臓器を支えきれなくなり腟から脱出した状態をいいます。脱出した臓器により、膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤、子宮摘除後の腟断端脱があり(図1)、合併例も珍しくありません。

症状について

症状は陰部の違和感・下垂感・脱出感、尿が出にくい・近い、尿が漏れる、便が出にくい、便秘などです。入浴やトイレで陰部にピンポン玉のようなものを触れる、歩くとき股に何かが擦れる感じがするなどで気が付くこともあります。

治療法について

治療は基本的には手術となりますが、従来の骨盤臓器脱に対する手術は再発率が高いこと、術後腟が浅く狭くなり性生活が困難になることが問題点でした。

当院では生体適合性に優れたポリプロピレン製メッシュシートを用いて、排尿機能や性機能を損なうことなく骨盤底を低侵襲に再建できる腹腔鏡下仙骨腟固定術(Laparoscopic Sacral Colpopexy: LSC)を施行してきましたが、ダビンチ導入によりLSCをダビンチを用いて行うロボット支援仙骨腟固定術(Robot-assisted sacrocolpopexy: RASC, RSC)を開始いたしました。

ロボット支援仙骨腟固定術(Robot-assisted sacrocolpopexy: RASC, RSC)

骨盤臓器脱全般に対応可能です。手術支援ロボット「ダビンチ」を用いて、下腹部に1-2cmほどの穴を4〜5ヶ所あけて手術を行います。膀胱と腟前壁の間、直腸と腟後壁の間にポリプロピレンメッシュのシートを留置し、そのシートを仙骨に固定することにより骨盤内の臓器が脱出するのを防ぎます(図2)。
現時点で骨盤臓器脱に対する手術法の中では非常に再発率が低いといわれています。また、腟壁を切開してメッシュを留置するTVM手術と比較し、術後の痛みや性交痛が少ないと報告されています。2014年4月に腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)が保険適用となりましたが手技が煩雑で難易度が高いため、埼玉県内で施行している施設は現在でも数施設しかありません。当院では以前より腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)を施行してきましたが、2020年にロボット支援仙骨腟固定術(RASC, RSC)が保険適用となり、現在はダビンチを用いたロボット支援手術を施行しています。LSCで高度な技術が必要であった骨盤の奥の狭い領域での剥離や縫合操作がダビンチを用いることでより正確に短時間で行うことが可能となります。

図2 膀胱と腟前壁の間、直腸と腟後壁の間にポリプロピレンメッシュのシートを留置し仙骨前面に固定
※脳動脈瘤のある方、閉塞隅角緑内障の方には施行することができません。また、高度肥満の方、お腹の中の癒着がひどい方は手術中に術式を変更させていただく場合があります。

腹圧性尿失禁

前述のように40歳以上の女性の4割以上に尿失禁を認めるといわれています。尿失禁の中でも、咳やくしゃみ、重いものを持つなどお腹の中の圧が上昇した時に尿が漏れるものを腹圧性尿失禁といい、女性で最も頻度の高い尿失禁です。腹圧性尿失禁は手術により治療することができます。

TVT・TOT手術

腹圧性尿失禁の手術療法として最も広く行われているのがTVT (tension-free vaginal tape) 手術とTOT (trans-obturator tape) 手術です。TVT手術は腟壁からポリプロピレンテープを尿道後面に尿道を支える形で留置することで尿失禁を防止します。尿失禁消失率が90%以上と良好で長期的な再発率も低いといわれています。手術手技も比較的簡単で手術侵襲も低いことが利点ですが、ポリプロピレンテープをブラインド操作で膀胱近くを通過させながら留置するため、膀胱損傷やまれではありますが腸管、血管、神経損傷などの重大な合併症を起こす可能性があります。この問題点を改善したのがTOT手術です。TOT手術はポリプロピレンテープを尿道後面から左右閉鎖孔を通して皮膚まで導くことが特徴です。テープの通過距離がTVT手術より短く大血管や重要臓器の近くを通過しないため、より安全で手術手技も簡便です。しかし、重症例や再発症例に対する成績は若干TVT手術の方が良いと言われています。当院では失禁の重症度により手術法を選択しています。重症例や再発例などに対しては十分な知識と経験を持った医師がTVT手術を施行しています。

担当医

部長 岡田 栄子(おかだ  えいこ)

部長  岡田 栄子(おかだ えいこ)

【資格】

日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会VAIVT認定専門医
日本医師会認定産業医
身体障害者福祉法第15条指定医師(じん臓機能障害)
日本透析医学会会員
日本排尿機能学会会員
日本臨床皮膚外科学会会員
日本透析アクセス医学会会員
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
難病指定医
日本救急医学会 ICLS コース修了

部長 佐藤 克彦(さとう  かつひこ)

部長  佐藤 克彦(さとう かつひこ)

【資格】

医学博士
日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器科腹腔鏡)
日本泌尿器科学会・日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(ぼうこう又は直腸機能障害)
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
難病指定医
da Vinci Console Surgeon(da Vinci Certificate 取得者)

医長 五十嵐 智博(いからし  ともひろ)

医長  五十嵐 智博(いからし ともひろ)

【資格】

医学博士
日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器科腹腔鏡)
日本泌尿器科学会・日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(ぼうこう又は直腸機能障害)
日本レーザー医学会 安全教育試験合格
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
難病指定医
da Vinci Console Surgeon(da Vinci Certificate 取得者)

 伊藤 亜希子(いとう あきこ)

伊藤 亜希子(いとう あきこ)

【資格】

日本泌尿器科学会泌尿器科専門医
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(ぼうこう又は直腸機能障害)
da Vinci Console Surgeon(da Vinci Certificate 取得者)

外来担当医

時間/曜日
午前受付
8:00-11:30
(診察) 9:00~
飯泉達夫 【予約制】
高田 将吾 
岡田 栄子 
五十嵐 智博 【予約制】
飯泉達夫 【予約制】
飯泉達夫 
高田 将吾 【予約制】
佐藤 克彦 
飯泉達夫 【予約制】
岡田 栄子 【予約制】
五十嵐 智博 
伊藤 亜希子 【予約制】
佐藤 克彦 【予約制】第2・4週診療
五十嵐 智博 【予約制】第1・3・5週診療
伊藤 亜希子 【新患】
午後受付
12:35-17:00
(診察) 14:00~
飯泉達夫 検査・処置【予約制】
岡田 栄子 検査・処置【予約制】
飯泉達夫 検査・処置【予約制】
飯泉達夫 検査・処置【予約制】
佐藤 克彦 検査・処置【予約制】
飯泉達夫 検査・処置【予約制】
岡田 栄子 検査・処置【予約制】
五十嵐 智博 検査・処置【予約制】