診療科

膵がんの化学療法について

術前補助化学療法

GS療法

 日本人対象とした臨床試験の結果から、体に負担のかかる手術後だけでなく、手術前に抗がん剤を行うことで、生存率が改善することがわかっています。腎機能が保たれている方が適応となります。

対象:切除可能膵癌

 およそ1時間の点滴(ゲムシタビン)を外来治療センターでおこない、S-1(ティーエスワン)を自宅で2週間内服、1週間休薬します。3週間で1コースを2回くりかえします。

 2コース(6週間)後に検査を行い、問題なければ手術となります。
 場合によって、化学療法を切り上げて手術となる場合もあります。75歳以上の方やアレルギーのある方では、化学療法を行わずに手術先行となる場合があります。

GnP療法

 日本と世界の臨床研究の結果から、体に負担のかかる手術後だけでなく、手術前に抗がん剤を行うことで生存率が改善することがわかっています。当院では、日本人にも効果があると想定される薬剤を選択しています。

対象:切除可能境界膵癌

 およそ1時間30分の点滴(ゲムシタビン+ナブパクリタキセル)を外来化学療法室で投与します。4週間で1コースを3回繰り返します。アブラキサンにはアルブミン製剤がはいっているため、血漿分画製剤使用の同意が必要です。

 3コース(12週間)後に検査を行い,問題なければ手術となります。万一、遠隔転移などが出現した場合には、すでに微小な転移があったと考えられるため、体に負担のかかる手術を行わずに、他の化学療法を継続することになります。
 75歳以上の方やアレルギーのある方では、化学療法を行わなかったり、途中で切り上げたりして手術となる場合があります。

術後補助化学療法

S1単剤療法

下記のように、S-1(ティーエスワン™)を4週内服2週休薬で内服します。

体調が万全でない方や副作用が強く出る方の場合、2週内服1週休薬x2で内服することがあります。