専門治療

肝胆膵外科手術

肝胆膵外科高度技能専門医」とは?

日本肝胆膵外科学会が認定する資格で、世界で初めて肝胆膵外科手術での高度の技能を有する者を認定する制度です。
膵頭十二指腸切除、肝葉切除などの学会が定めた非常に難易度の高い手術を多数執刀していることが受験資格の条件であり、さらにこれらの手術の開始から終了まで全てを記録したビデオで技術が審査されるという大変厳しいものです。
平成23年6月に第1期の認定が行われ,認定者は現在全国で12名のみ、関東地方全体で2名のみです。
当院の金達浩医師はこの第1期認定者の一人です。

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こんな症状がでたら・・・

  • 黄疸(肌の色や眼の白目の部分が黄色くなる)

  • 尿の色が濃く褐色になる

  • 便の色が白っぽい

  • 腹痛 上腹部(みぞおちのあたり、お腹の右上、左上、おへその周り)に痛みがある.または重苦しい感じがある

  • 背部痛 背中の中央や左右に重苦しい痛みがある

  • 食欲がない

  • 何となく身体がだるい

  • 発熱

  • 体重減少

  • 血液検査で肝機能が悪い,胆道系酵素(ALP,γGTP)が高い

  • 急に糖尿病と診断された.または今まで治療していた糖尿病が急に悪化した

などの症状がある場合には、肝・胆・膵のがんの可能性があります。

臓器について

臓器

① 胆管

文字通り、胆汁が流れる管です。
肝臓から十二指腸につながっており、途中で膵臓の頭部を通ります。

② 胆嚢

胆管の途中につながっている袋状の臓器です。胆汁を一時的に貯留し濃縮します。食事の際には収縮し、貯蔵しておいた胆汁を十二指腸に排出します。

③ 十二指腸乳頭

十二指腸に存在する“乳首"のような突起で、胆管と膵菅が合流してここに開口しています。胆汁と膵液の出口です。

これらの臓器には、次のような悪性腫瘍(がん)が発生します。

悪性腫瘍(がん)について

肝がん(肝細胞がん)

ほとんどはC型肝炎、B型肝炎ウィルスによる慢性肝障害(肝硬変、慢性肝炎)から発生し、まれにアルコール性、非アルコール性脂肪性の肝障害から発生します。肝臓は非常に予備力が高いため、がんができても全く無症状のことが多く、高度に進行してからようやくだるさや食欲低下、腹水、黄疸などの症状が出ることがあります。肝臓の表面にある腫瘍や大きな腫瘍は、突然破裂してお腹の中に多量に出血することもあります。
治療には外科的切除、局所療法(腫瘍に針を刺して焼く、またはアルコールで凝固する治療)、肝動脈塞栓化学療法(肝動脈から抗癌剤を注入し腫瘍の血管をつめてしまう治療)などがあります。もっとも根治性が高い治療は切除ですが、がんの大きさ、数、肝臓の中での位置、肝障害の程度などによって治療法を選択します。

胆管がん

胆汁が通るパイプラインである胆管に腫瘍ができて閉塞してしまうため、多くは黄疸で発症します。やはり根治が期待できる唯一の治療は外科的切除で、肝臓に近い場所にできた場合は肝切除が、十二指腸に近い場所にできた場合は膵頭十二指腸切除が必要になります。

胆嚢がん

男性より女性に、また、胆嚢結石を持っている方にできやすいことが知られています。早期の段階ではほとんど症状がないことが多く、進行して胆管や肝臓、十二指腸など周囲の臓器に浸潤した段階で初めて黄疸、腹痛などの症状が出現します。根治のためには、胆嚢を切除するだけの手術から、胆管切除、大量肝切除や膵切除を必要とする場合まで進行度に応じた範囲の手術を必要とします。

十二指腸乳頭部がん

胆管の出口に腫瘍ができて閉塞するため、黄疸などの症状が比較的早く出現します。
やはり、切除が唯一の根治的な治療法です。内視鏡的切除などで治療できる場合もありますが、多くは膵頭十二指腸切除を必要とします。膵がん、胆管がん、胆嚢がんに比べて予後は良好です。

膵がん

全ての悪性腫瘍のうち、もっとも予後(治療成績)の不良ながんの一つです。
その理由としては、早期発見が難しく、診断の時点で進行していることが多いため手術が不可能である場合が多いこと、手術後の再発が多いこと、また、他のがんと比較して抗癌剤の有効性が高くないことがあげられます。
膵頭部にがんができると黄疸が出現します。体部や尾部にできた場合は相当大きくなるまで無症状のことも多く、より進行した状態で発見される傾向があります。
再発が多いとは言え、根治が期待できる唯一の治療方法は外科的切除です。手術でがんを取りきった後に6ヶ月間の抗癌剤治療を外来で行うことがもっとも有効な治療法と考えられます。

治療について

このように肝・胆・膵のがんに対しては、根治的治療として外科的切除が第一に重要です。肝胆膵領域の手術は、消化器外科の中でも最も高度な技術を必要とするため、この分野を専門とする手術経験豊富な外科医が担当することが求められます。さらに再発の抑制のために手術後の抗癌剤による治療などを組み合わせた“集学的治療”が行われます。また、切除以外の治療方法を選択する場合も、同様に抗癌剤投与、内視鏡的処置などの集学的治療が必要です。
当院では肝胆膵外科高度技能専門医に認定された外科医に加えて、2名の消化器外科学会指導医・内視鏡外科技術認定医を含む5名の外科医が手術治療を担当します。さらに化学療法、内視鏡的処置その他についても、8名の消化器内科医、3名の肝臓専門医など非常に充実した体制があり、外科、内科が毎週合同でカンファレンスを行って治療方針を相談し、密接な協力体制のもとに治療にあたります。
治療については、受診いただいてから十分にご説明・ご相談して進めて参ります。セカンドオピニオンについても受け付けておりますので、どうぞお問い合わせ下さい。(セカンドオピニオン外来について