専門治療

体外式衝撃波結石砕治療(ESWL)

尿路結石とは

尿中のさまざまな成分が析出し、固まって石のようになったものを尿路結石といいます。存在する場所によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石とよばれます。そのうち上部尿路結石とよばれる腎臓結石、尿管結石にかかる人は急速に増加していて30年前に比べると約2倍になっています。下部尿路結石とよばれる膀胱結石、尿道結石にかかる人はあまり変化しておらず、尿路結石の5%位となっています。日本人が一生のうちに尿路結石にかかる割合は男性が11人に1人、女性が26人に1人と言われています。

尿路結石ができる原因は?

結石が発生する原因は複雑で現在でも十分には解明されていません。しかし、結石の成分が尿に溶けきれなくなって結石を形成してくるわけですから、尿の量が少ない場合や、結石の成分が尿中に増えると結石が発生しやすくなります。尿の量が少ない原因としては水分を摂る量が少ない、汗を多量にかく(体質、職業)ことが考えられます。また、結石の成分としては尿酸、カルシウム、シュウ酸などが重要で、高尿酸血症、アルコール(特にビール)、塩分、動物性脂肪の摂りすぎ、食べすぎなどでこれらの成分が尿中に増えると言われています。夕食が遅く、就寝の2~3時間前に食事をすることも結石の原因となります。下部尿路結石は排尿障害による尿流の停滞、細菌の慢性的感染が原因であることが多いようです。

尿路結石の症状は?

突然激しい痛みがわき腹から背中、腰にかけて起こります。この痛みは七転八倒の苦しみと表現され、吐き気がしたり、冷や汗を伴い、多くの方が救急車で来院されます。ただし、常に激しい痛みとは限らず、鈍痛であったり、重苦しいだけのこともあります。また、尿管の下部に結石があると、下腹部や陰部、睾丸の痛み、頻尿や残尿感といった膀胱刺激症状が認められることもあります。血尿も多く見られますが、その程度はさまざまです。結石が腎臓の中にあって尿の流れをさまたげない場合や膀胱結石では症状がないことも多く、発見されるまでにかなり大きくなってしまうこともあります。また、腎臓が1個しかない人や腎臓の機能が低下している人に結石が発生したり、結石に細菌が感染して高熱が出た場合には尿毒症や敗血症となり生命の危険を伴うこともありますので緊急の処置が必要となります。

尿路結石の診断は?

超音波検査や腹部のレントゲン検査、CTスキャンで行いますが、結石の位置の確認や尿の流れをみるために造影剤を注射しながら行う排泄性尿路造影が必要となることもあります。

尿路結石の治療は?

尿路結石の約70%は自然に排出されます。しかし、30%は大きくて排出が困難であったり、痛みなどの症状が強く結石の破砕が必要となります。破砕法の一つは体の外から衝撃波を結石に集中させて結石を破砕する体外式衝撃波結石破砕治療(ESWL)です。その他に麻酔をして、尿道から尿管に内視鏡を通し、結石を破砕する方法や、腎臓に細い穴をあけて、内視鏡で見ながら結石を破砕する方法などがあります。現在お腹を切って結石を取り出す手術はほとんど行われません。

体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)とは?

X線で焦点が結石になるように照準を定め、音波の一種である衝撃波を結石に集中させて結石を破砕する治療です。砂状に破砕された結石は尿とともに体外に排出されます。結石の周囲の組織をほとんど傷めることなく、副作用や後遺症もほとんどありません。

当院おけるESWL装置の特徴

Dornier リソトリプターD

当院では、現在最も破砕効率がよい機種のひとつであるドイツDornier社のリソトリプターD(右写真)を導入しており、現在までに約1050例に破砕治療を行っています。治療は認知症のある患者さん2例で静脈麻酔を使用して行いましたが、他は鎮痛剤の静脈注射および座薬のみを使用して行いました。原則として腎臓結石は1泊入院で破砕していますが、全体の約60%は外来で治療可能でした。有効率は腎臓結石で約90%、尿管結石では95%以上でした。細かく破砕された結石は尿といっしょに排出されますが、腎臓結石の場合、小さな結石が残る場合があります。この場合は結石が大きくならないか定期的に確認することになります。問題となる合併症としては腎被膜下血腫が7例に認められましたが、すべて安静で対処可能でした。

破砕前の結石 破砕された結石

尿路結石の再発を予防するには?

尿路結石は約半数の人で10年以内に再発するといわれています。再発しないために下記の点に注意して下さい。

  • 食事以外の飲水量を2000ml/日以上とする。(清涼飲料水、甘味飲料水、コーヒー、紅茶の過剰摂取は控える)

  • アルコールの過剰摂取(ビールも含む)を控える。

  • 動物性蛋白質の過剰摂取を控える。(動物性を50%が目標)

  • 一定量のカルシウム摂取のすすめ。(過剰摂取は避ける)

  • シュウ酸の過剰摂取を控える。(ほうれん草、たけのこ、コーヒー、紅茶、チョコレートなどをひかえ、カルシウムを含んだ食品と同時に摂取)

  • 塩分の過剰摂取を控える。

  • 炭水化物としての穀物の摂取を増やし、砂糖などの糖分の過剰摂取を控える。

  • 脂肪の過剰摂取を控える。

上記のような点に注意していても再発を繰り返す場合は薬剤による再発予防が必要なことがあります。泌尿器科にご相談下さい。