ロボット支援手術(ダビンチ手術)とはSurgery
当院は患者さんに体に優しい手術を提供するため、2021年4月に第4世代手術支援ロボット「ダビンチX」を導入し、2024年6月に最新鋭機である「ダビンチXi」にバージョンアップしました。
ダビンチとは、先端技術を用いて従来では困難であった複雑な操作を可能とするために開発された手術用ロボットです。体にいくつかの小さな穴を開けて、そこから内視鏡と手術器具を取り付けたロボットアームを挿入して行います。ロボットが自動で行うわけではなく、執刀医がサージョンコンソール(操縦席)のコントローラーでロボットを操作して手術をします。
執刀医以外にも助手の医師、麻酔科医師、看護師、臨床工学技士など多くのスタッフが協力しています。
開腹手術より体へのダメージが少なく、腹腔鏡手術より鉗子の自由度が高く、狭い空間での繊細作業に真の価値を発揮できるのがダビンチ手術です。
ダビンチ手術の利点
① 傷が小さい
内視鏡やロボット用鉗子を挿入する穴は1カ所5-12mmと開腹手術よりも小さく、術後の痛みが少なく回復が早いことや術後の傷が目立たないという利点があります。
② 出血が少ない
ダビンチ手術ではお腹の中に二酸化炭素を注入して膨らませながら手術を行います。お腹の中が高圧になるため出血が少なくなります。また、3Dの拡大画像で肉眼では見えないような細かい血管も認識できること、人間の手より可動域が広く精密な操作が可能なロボット鉗子で操作を行うことで開腹手術と比較して非常に出血が少ないという利点があります。ダビンチ手術では輸血が必要なことはほとんどありません。
③ より正確な癌の切除、より精密な機能の温存が可能
通常の腹腔鏡手術は二次元画像ですが、ダビンチでは立体感のある3D画像で最大14倍の拡大ズームが可能です。肉眼では認識できなかった血管や神経、筋肉や臓器の境界などを確認することができます。ロボット鉗子の可動域は540度と人間の手首より圧倒的に広く、人間の手では行うことの難しかった骨盤の奥での縫合などの複雑な作業も可能となります。また、コンピューターによる手ぶれ防止機能が備わっており、より安全に手術を行うことが出来ます。前立腺癌の手術では癌の根治性の向上だけではなく、尿道括約筋の周りの組織へのダメージを最小限にすることで術後の尿失禁(尿漏れ)の回復が早くなることが報告されています。また、勃起神経を可能な限り温存することが性機能の保護につながります。
④ 術後の回復が早い
手術中の出血が非常に少ないこと、組織へのダメージを軽減できることなどから開腹手術に比べ体への負担の少ない手術です。また、傷が小さく術後の痛みも少ないため、ほとんどの術式で手術の次の日から歩いたり食事をしたりすることが可能です。
開腹手術 | ダビンチ手術 | 腹腔鏡下手術 | |
---|---|---|---|
傷口 | 大きい | 小さい | 小さい |
視野 | 1〜4倍 | 10〜14倍 | 2〜10倍 |
器具の自由度 | 人の手と同じ | 人より自由度が高い | トロッカーにより制限 |
手術中の出血量 | 多い | 極めて少ない | 少ない |
縫合操作 | 深い狭い所では困難 | どこでも容易 | 困難 |
手術時間 | 短い | 短い | やや長い |
社会復帰 | 遅い | 早い | 早い |
※トロッカーとは手術用の鉗子を挿入するための器具です。
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