医療の世界は、かっては狭く封建的で、まさに「白い巨塔」のような状況でした。きちんとしたマニュアルもないまま、医師を頂点とするヒエラルキーのもとで動いていたのです。でもここ十数年は、産業界の取り組みも取り入れながら、大きく進化を続けています。
例えば医療安全の面では、かっては事故が起こると、事故を起こした個人を犯人として責めることで終わっていましたが、現在では、航空業界などの多分野からの知見に基づいて、医療事故を「システムの欠陥の結果」として捉えられるようになり、各病院で科学的な手法を用いて再発防止策を検討するようになっています。
それ以外の産業界からの学びとして「品質管理」があります。常に高品質の製品を安定して生み出すために、常に「仕組み」を見直していく取り組みです。当院でも品質管理担当副院長の指揮のもとで、各部署で業務改善に取り組んでいます。
各部署の業務改善活動はその部署で完結させず、病院全体の取り組みとしていく必要があります。そのために、当院では毎年「QI(quality improvement:品質改善)大会」を開催することにしています。
今年は11の部署が発表を行い、厳正な審査の結果、放射線科のチームが選ばれました。コロナ禍において、発熱患者さんの胸部CT撮影が大幅に増加していますが、待ち時間を少なくするためにさまざまなアクションを起こして、結果を出すことができました。
私から表彰状を渡して、いつものエアハイタッチです。