栄養士便り

41 人参





皆さんのご家庭には常備されている定番野菜はありますか?今回は定番中の定番、『人参』についてです。


これからの旬にオススメの人参

人参は一年中お店に並びますが本来の旬は11月~12月です。

良い人参を選ぶポイント

・色が濃いもの
・表面にハリがあるもの
・太さのあるもの

人参に多く含まれる成分としてカロチンがあげられます。皆さん一度は耳にしたことがある名ではないでしょうか?
では、カロチンとはどんな成分かはご存知ですか?カロチンとは色素成分のことをいい、体の中に入るとビタミンAに変身するのです。

ビタミンAの効能
皮膚や粘膜を強くする作用、免疫力の強化にもつながります。これから寒くなる時季、風邪予防にもオススメの食品です。



人参の栄養素/strong>

カロチンは油に溶ける脂溶性ビタミンの為、油を使った調理の場合吸収率が高くなります。生で10%、油を使うと50~70%の吸収率になります。人参の皮は大変薄く、出荷される前に付着した泥を落とす作業で、ある程度むけているそうです。カロチンは、より皮に近い部分に多く含まれているので、家庭で使用する際はよく洗ってそのまま使うことをおすすめします。しっかり栄養が摂れてゴミも出ず一石二鳥の方法です。ただし、皮にはアクの成分が多く含まれており、煮物に使う場合は黒ずみの原因となります。キレイな色に仕上げたい場合は薄く皮を剥くようにすると良いでしょう

最近では見かけにくくなりましたが、葉が付いたままの人参を購入したら、葉は捨てないで下さい。カルシウムやビタミンE等、根(実)の部分より栄養分が高いものもあるのです。食べないのは勿体ない!お浸しや天ぷらにしてみてはいかがでしょう? ここまで人参の良い部分のお話をしましたが、ここからは注意したい部分のお話です。


人参の栄養素

人参にはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれています。人参のみ食べる場合は問題ないのですが、ビタミンCを多く含む食材と組み合わせて食べる場合はせっかくのビタミンCを破壊しないように工夫する必要があります。 アスコルビナーゼは熱と酸に弱いので、茹でたり、炒めたり、酸味を少し加えることでビタミンCの破壊は無くなります。ご家庭で人参入りジュースを作る場合はレモンを加える等の工夫が必要です。

年々野菜不足の方が増えています。緑黄色野菜の代表格の人参。そのものを大量に使用することはあまりありませんが、鮮やかなオレンジ色は料理の良いアクセントになります。

色々な料理にどんどん使ってみて下さい。