栄養士便り

38 寒天





8月になり夏本番。
夏バテはしていませんか?
暑くて食欲がなくても、口当たりの良いものなら食べられる。そんな時もありますよね?
冷たいもの、酸味のあるもの、ツルっとしたもの、等々。
そのどれもを兼ねそろえた食品があるのです。
それは・・・
ところてん!
酢醤油で食べると美味しいですよね。

その「ところてん」は水と寒天から出来ています。
ということで今回のテーマは 『寒天』です

寒天は約8割りが食物繊維でできています。

食物繊維はエネルギーこそ無いものの、身体に様々な効果をもたらし、糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルに次ぐ、第6の栄養素とも呼ばれています。

効果としては

便秘解消
血圧低下
コレステロール低下
等があります。



寒天とゼラチン

以前栄養士便り(NO13)でゼラチンをご紹介しました。
水分を固める作用としては寒天も同じですが、物質が全く違います。
ゼラチンは牛豚の骨皮から取れる物質で『プルプル』とした食感が特徴です。
寒天は天草等、海藻類から取れる物質で『ツルッ』とした食感が特徴です。
物質が違うので食感が違うのは当たり前ですが、もう一つ特徴的なのは溶ける温度です。
ゼラチンは26~50℃で溶け、13℃で固まる
寒天は80~100℃で溶け、35度で固まる
このように、ゼラチンの口どけの良さは人の体温でも溶ける性質によるものです。
しかし、冷蔵庫に入れないと固まらず、夏場常温に置いておくと溶けてしまうのが欠点です。
寒天は35℃で固まるため常温でも固まり、80℃以上にならないと溶けません。
ゼラチンのような口どけ感はありませんが、その分、体内の停滞時間が長く、体熱をゆっくり吸収してくれるので、暑い夏に合った凝固剤といえます。

寒天はカロリーが無いためダイエット食品として重宝され、一時店頭から消える程ブームにもなりましたね。
いくらカロリーが無い食品でも、甘いゼリーにしたり、ところてんやみつ豆に蜜をタップリかけてしまえばカロリーのある食品に変身しますからご注意を。

見た目も涼しげで、食べても涼しい。
クーラーや扇風機の無かった時代はこういった食品を食べて夏の暑さをしのいでいたのでしょうね。

今年の夏は寒天を食べて暑さ対策をしてみてはいかがでしょうか?