栄養士便り

36 桃





『季節限定!』なんて表示があると、ついつい買ってしまうことってありませんか?
食品の輸入やハウス栽培が盛んな昨今、季節を感じられる食べ物が少なくなった気がします。それでも果物は季節感を残している食品と言えるのではないでしょうか?

今回は季節の果物、『桃』についてです。



桃の由来

日本の昔話に『桃太郎』がありますよね。桃は古くから日本に生育していて、昔の書物『古事記』にも載っているくらいです。しかし桃は日本が原産ではなく、中国から伝わった果物なのです。現在日本で流通している白桃は中国の桃を改良した、オリジナルの桃だそうです。


特徴と旬の時期

桃の特徴として水分を多く含んでいることがあげられます。スイカが91%と果物の中では最も多く、次いで桃やグレープフルーツ等が89%の水分を含んでいます。

桃の旬は6月~9月、特に美味しいとされるのは梅雨明け頃のものといわれています。夏の果物を食べるということは、汗をかきやすい夏の水分補給のためにも役立っていたということです。現に冷夏の年は、スイカや桃などの夏の果物の売れ行きが落ちるそうです。ほかの果物にはあまり見られない現象ですね。


桃をおいしく召し上げるには・・・

桃は大変デリケートな果物のため取り扱いにはコツが必要です。
まず、形は左右対称の丸みをもつものを選んでください。硬い桃は直射日光を避け室温で保存して柔らかくなるのを待ちます。食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やすと美味しく食べられますが、冷やしすぎると甘みが落ちるので冷やしすぎには注意してください。
皮を剥き空気に触れると身の色が変わってくるので早めに食べることをオススメします。

季節限定の桃、その年の気象条件で味に差がでてしまいやすい果物ですが、それこそ『季節限定』の醍醐味ではないでしょうか。