栄養士便り

98 きゅうり





日に日に暑くなり、いよいよ夏本番がやってきましたね。
食欲がなくなってきてしまう時期ですが、おいしい食べ物をたくさん食べて元気に夏を過ごしていきましょう。

今回は日本の夏の食卓に欠かせない野菜である「きゅうり」をテーマにします。


文主な栄養素と働き

栄養素としてカリウム、ビタミンC、Eを含みますが、全体の約95%を水分が占めるため、含まれている栄養素は多くはありません。そのため、きゅうりは「世界で一番栄養価のない野菜」としてギネスブックに登録されています。しかし、たとえ栄養素が少なくても、水分補給ができ、利尿作用によりむくみを解消し、風邪・高血圧予防や美肌効果がある野菜でもあります。夏は大量に汗をかき、汗と一緒にカリウムが失われてしまい夏バテの原因にもなりますので、積極的にとるとよいでしょう。



選び方・保存方法のポイント

【選び方】
全体にハリがあり、緑が濃くイボがとがって痛いくらいのものが新鮮です。
また、太さが均一なものを選びましょう。

【保存方法】
水気をふき取り、紙に包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。しかし、密閉した状態だと、きゅうりから出た水分がたまってそこから腐ってしまうので、呼吸ができるように袋は少し開けた状態にしましょう。



調理のコツ
きゅうりにはアスコルビナーゼというビタミンCを壊す酵素が含まれていますので、ほかの野菜と一緒に使うときは注意が必要です。しかし、レモン汁や酢を加えることでその働きを抑えることができます。また、50度以上の加熱でも酵素活性を失いますので、調理をするときは参考にしてみてください。

夏バテ解消にきゅうりのぬか漬け
ぬか漬けにすると栄養価が上がることをご存知ですか?
ぬかは米の胚芽と種皮からできているので、ぬか床はビタミンB1の宝庫なのです。ビタミンB1はエネルギー代謝に不可欠成分で、脳の働きにも必要な栄養素であり、疲労回復の効果もあります。この夏、きゅうりを使った夏バテ予防として、ぬか漬けにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。