栄養士便り

88  運動時における食事の摂り方





暑かった夏が終わり、爽やかな秋がやってきましたね。
秋といえば、食欲の秋、読書の秋といろいろと思い浮かびますが、運動会があちらこちらで行われることも多くスポーツの秋といった運動をする絶好の機会ですね。

今回は、スポーツの秋にちなんで「運動時における食事の摂り方」についてお話します。
スポーツ選手が効率よく体を動かすためには、食事を摂るタイミングや質、量が重要なポイントとなります。同様に、健康の維持・増進のためには、運動と食事のバランスが重要となります。


運動の種類

みなさんは日頃、運動といえばどんなことをしていますか?
近頃、健康維持が注目をあび早朝や夕方にウォーキングをしている方が増加傾向にあります。そのほかにも、体操やグランドゴルフ、筋トレ、ジム通いなど多種多様に運動が日常生活に溶け込んでいるように思います。


運動の種類

※無酸素運動:
腕立て伏せやスクワット、パワートレーニングといった短時間で行なう運動のことを示します。いわゆる、筋力トレーニングのことです。筋肉量を増加させ、瞬発力を養うことが目的となる運動。

※有酸素運動:
ウォーキングやサイクリング、ジョギング、エアロビクスなど全身に酸素を取り込み、持久力を必要とする運動のことを示します。筋疲労が少なく長時間運動を継続することから運動耐容能(運動に対する持久力)を改善することが目的。



食事摂取のタイミング



運動前に食事を摂ると、胃腸に負担をかかりやすいため、食事の消化時間を考慮し運動を行なう2時間前までに食事を済ませておくとよい。
また、食事内容としては、エネルギー源となる糖質(ご飯やパン、麺類、果物など)を中心としたものを選択するとより効率的。

運動中においては、体温調節機能から発汗量が増加するため、脱水症状に陥ることがないよう水分補給をこまめに行なうことが大切です。汗とともにビタミンやミネラルも体外に出てしまうため、水分補給と同時にビタミンやミネラルも一緒に摂るよう心がけましょう。

運動後には、疲労を蓄積させないためにクエン酸を多く含む食品を積極的に摂ることをお勧めします。柑橘類や梅干、お酢などを食事に摂りいれることがポ イントです。
また、筋肉量を効率的にアップさせるためには、運動後に筋肉を作る材料となる良質な蛋白質である肉や魚、卵、豆腐・大豆製品、乳製品などを摂取するとよい。
しかし、運動により身体が疲労しているときには胃腸の消化能力が低下するため脂質を多く含む食品は控えると良いでしょう。
調理法については、炒める、揚げるではなく、煮物、蒸し物が胃腸への負担が軽減します。



無理なく続ける

筋肉量を増加させ、基礎代謝量をアップさせることで体温を維持し、身体を冷やさないことも大切です。

無理な食事や運動をするのではなく、無理なく続けることが出来る階段昇降や1日10分程度のウォーキング、体操など運動を日常生活の一部として取り入れることが健康の維持増進に繋がります。
今年はスポーツの秋として自分自身の体力や体調と向き合ってみてはいかがでしょうか?