栄養士便り

66 年越しそば





今年も残すところあと1ヶ月ですね。年末年始の準備で忙しい時期ですね。今年、やり残してしまったことはないでしょうか?
1年の終わりに食べるものといえば、年越しそばが定番となっていますね。そこで、今回は「年越しそば」についてご紹介いたします。



年越しそば由来

そばは長く伸びることから、延命長寿・身代が細く長くのびるようにと願う、そばの形に由来する説があります。
また、そばは多少の雨風にあたっても、日が差すことですぐに起き上がります。そして、そばはとても切れやすいということに由来し、年末に年越しそばを食べることで旧年の労苦や災厄をスパッと切り捨てよう…来年こそは巻き返しを図ることを期待して食べるという説もあります。地域によってそばではなく、うどんを食べる風習があるところもあります。


そばの栄養

そばは米や小麦など他の穀類と比べると非常に栄養価の高い食べ物です。
特に、たんぱく質、ビタミンB1・B2は穀類の中でもっとも豊富。
それは・・・そば1人前 ≒ ご飯2膳分

食べなければ同量の栄養価を摂取することが出来ません。
そばの栄養価が高いのは、他の穀類とは違い精製しないで全粒として利用しているからです。米や小麦などの穀類は、精製して食すことが主となります。栄養たっぷりな胚芽の部分を取り除き、胚乳部だけを食べるのと比較し、そばは胚芽や種皮の一部も食用にしています。


たんぱく質がたっぷり
たんぱく質は、私たちの生命維持や成長に欠かせないものです。
そばにはたんぱく質が多く、精白米に対してそばは約2倍多く含まれています。また、たんぱく質の構成(アミノ酸価)も良質です。良質たんぱく質が豊富と言われる鶏卵を100とするとそばは92となっており、精白米の65に比べても大変高いものとなっています。そして、体内では作ることの出来ないアミノ酸である必須アミノ酸が多く含まれていることが特長です。

ビタミンB群の宝庫
そばにはビタミンB群が多く含まれています。ビタミンB1、B2は精白米の4倍も含まれているのです。ビタミンB1は体力低下、イライラ、食欲不振の解消に効果を示します。また、ビタミンB2は皮膚や粘膜を健康に保つために欠くことのできない栄養素です。
体力低下、イライラ、皮膚が弱くなった等感じている方は、ビタミン不足の可能性もあります。毎日の食事を工夫し、不足が起こらないよう注意しましょう。


そば湯

外食でおそばを注文すると、最後にそば湯を出してくれるお店が多いですが、そば湯はそばを茹でたお湯ですので、そばの効能成分がたっぷりと含まれています。そば湯もおいしく頂くことも大切です。しかし、そばのおつゆは塩分がとても高いので、全て飲むのではなく、そばの風味を少し味わう程度がよいでしょう。



そばの具のオススメ組み合わせ

大根+しょうが
しょうがは、体を温める効果があります。ですから、大根と一緒にしょうがをすりおろして入れると冷え性に効果的です。また、大根には免疫力を高めるビタミンCが豊富に含まれるので、風邪の予防や回復などに効果的です。特に風邪気味と感じるときにはオススメです。

文鶏肉+海藻類(昆布など)
鶏肉の良質なたんぱく質と、海藻に多く含まれるカリウムを一緒に摂ることで余分な塩分を排泄するのに効果的です。
調理の際には、鶏肉は皮の部分に脂肪が多く含まれているので、皮を除いて使うようにしましょう。
またカリウムには飲みすぎや食べ過ぎによるむくみを解消する効果もあります。/p>

※但し、病気によっては制限される食品もありますので、ご注意下さい。